警察のパトロールは地上だけではなく、ヘリコプターによって上空からも行われていることをご存じでしょうか。
ヘリコプターを飛ばすためには、日々の機体整備が欠かせません。
伊藤杏寿さんは、大阪府警航空隊でヘリコプター整備を担当する1人。高校生のころ、修学旅行の帰りに空港で働く人の姿を見たことをきっかけに、航空機の整備士を目指すようになったのだとか。現在は、大阪府警が保有する6機のヘリコプターの整備を担当し、日々の安全運航を支えています。
『無事に飛び立つヘリを見送りながら、今日も安全に1日が終わるようにと願っています。』
そんな思いで仕事に向き合う伊藤さんに、ヘリコプター整備士の仕事や、その魅力について伺いました。
空港で働く人の姿に憧れて。高校生の頃に抱いた夢
――ヘリコプターの整備士を目指したきっかけを教えてください。
高校生のとき、修学旅行で飛行機に乗ったんです。沖縄から帰る飛行機の中から、空港で働いている人の姿が目に留まりました。手を振って見送ってくれる整備士の方々の姿を見て、「自分も整備の仕事がしてみたい」と夢見るようになりました。
地元の高校を卒業後、整備士を目指すために航空専門学校に進学。就職活動時に大阪府警の航空隊で募集があることを知り、すぐに応募しました。2020年4月に大阪府警航空隊に入隊し、今年で7年目になります。
――大阪府警のヘリコプター整備士は、どのような仕事をしているのでしょうか。
大阪府警が管轄しているヘリコプターは全部で6機。整備士の仕事はヘリの整備・点検のほか、空からのパトロールや、捜索救難活動なども含まれます。
格納庫から飛び立つスポットまで機体を移動させたり、パイロットの飛行に同乗して機体システムの監視を行い、異常があれば早期に発見し、パイロットへの助言を行ったりすることも任務の1つです。
――整備の際に気を付けていることは?
ネジに緩みがないか、異物が入り込んでいないかなど、いろいろなチェックポイントがあります。
機体にはそれぞれクセがありますから、ポイントをおさえて整備することが求められます。先輩に教えていただくことも多いですね。
私たち整備士は、ヘリコプターが24時間、いつでも安全に飛べるように整備するのが仕事。定時点検はもちろん、実際にヘリが飛行する前後にも必ず点検を行っています。絶対に事故が起きないように、細かいところまでしっかり確認しています。
日々、「今日も1日が安全に終わりますように」と願いながら、飛び立つヘリを見送っています。
――女性整備士は少ないですよね?
民間企業では女性の整備士さんもいらっしゃるのですが、大阪府警においては、女性の整備士は私1人です。
整備の仕事では重いものを持つこともあり、力が必要な場面では苦労することもあります。
ヘリの同乗も整備士の役目。今後は活動の幅を広げていきたい
――夜間勤務もあるのですか?
飛行中に不具合があった場合に備え、大阪府警ではヘリには必ず整備士が同乗します。
夜間の出動でも、整備士が同乗することがあります。
夜間のフライトで大阪の夜景が見られるのは特権かもしれません。普段とは違う角度から大阪の街を見ることができるのは、この仕事ならではの魅力だと思います。
――今後挑戦したいことはありますか?
ヘリコプターは機体の大きさによって、必要になる免許が違います。
私が今持っている免許は、小型~中型の機体を整備するための資格。今後は大型の機体も整備できるようになりたいと思っています。
大型の機体を扱えるようになるためには、まだまだ経験が必要ですし、難しい点も多いので、頑張らなければなりません!
パイロットの方々が安心して空を飛べるように、そして、ヘリコプターを必要とする人のもとにヘリが安全にたどり着けるように、これからも注意深く、整備をしていきたいと思います。
取材を終えて
ネジの緩みがないか。異物が入り込んでいないか。1つひとつを丁寧に確認し、「絶対に事故が起きないように」と整備を続ける。そして、無事にヘリが飛び立っていく姿を見送りながら、その日の安全を願う。
私たちの安心・安全な生活を守ってくれている警察のヘリコプター飛行は、伊藤さんをはじめとする、整備のプロの技術と思いに支えられていることがわかりました。
これから空を飛ぶヘリコプターを見るときには、空の安全を守る整備士さんにも思いを馳せてみたいと思います。
番組「ウェルチル 私と誰かに、ちょっといいこと」
関西テレビ放送
木曜よる10時54分放送(関西ローカル)
次回もお楽しみに。