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肝機能、正常化!“続かない” “痩せない”。飽き性ライターが2年越しにたどり着いた「エンジョイ最優先」という答え

肝臓の数値が悪すぎる

かつて私は、いくら食べても平気な人間だった。どれだけカロリーの高いものを食べても、夜中に大量に食べても、酒を浴びるように飲んでも大丈夫。健康診断など時間の無駄でしかないと思っていたし、初詣で「健康」を願ったこともなければ、占い雑誌の「健康運」なんて気にしたこともなかった。それが20代までの若者ボーナスでしかなく、健康というのは失ってから、取り戻すのに途方もない時間がかかることに気づいていなかった愚か者の話をさせてほしい。
今から2年半前、2023年の夏に風邪を引いた。風邪自体は一週間ほどで治ったはずなのだが、咳だけがどうもずっと治らない。何度病院で薬をもらってきても治らず、一日中、咳がコンコンコンコン出続ける日々が一か月以上続いた。

そこで血液検査をしたところ、肝臓の数値がとんでもなく悪かった。そのとき医者に『肝臓が悪いから、咳の治りが遅い可能性がある』と言われた。因果関係はよくわからないが、その医者がそう言っていたからそういうものなのだろう。逆に言うと、原因として考えられるのはそれ以外なかったということだ。(ちなみに、この記事では肝機能がよくなった話をしていくわけなので、今現在の私の肝臓は比較的正常だ。今は確かに咳が止まらなくなるなどの不調は特にみられないため、肝臓が悪いと体のあらゆる部分に悪影響が出やすいのは本当にそうなのだろう)

実は、肝臓が悪いのはそのとき初めて発覚したことではなく、そのさらに1年前の2022年の段階ですでに指摘されていた。精密検査をしたほうがいいという忠告を無視して放置しており、ALTという肝臓の数値が150くらいになっていた。これがどれくらい悪いかというと、正常な範囲が5~40の範囲なので、なんと5倍くらいになっていたわけだ。

肝臓が悪いとダイエットの効果がない

ところで、肝臓の数値を全人類が気にしたほうがいい理由を、健康上の側面以外でひとつ述べておく。
肝臓が悪いと、いくらダイエットをしても痩せない。これについては自身の経験を後述する。太る原因になるものを分解するのが肝臓であることと、基礎代謝の30%を肝臓が占めていることなどが関係しているのだと思う。

その上、「沈黙の臓器」と言われているだけあって、「もう手遅れです」となる段階まで何の症状も出ないまま生活できてしまうこともあるらしい。恐ろしい。
ただ、この肝臓とかいう臓器、何か治療できるような効果的な薬があるわけでもなく、運動して体にいいものを食べて節制するという「やっていることただのダイエットじゃん」という解決法しかないのである。

そこで、まずは手始めに運動を始めることにした。なぜならば、お酒をやめたり食事を気にしたりするのは無理だからだ。おいしいものを飲み食いするために生きているのに、それをやめたら生きる意味がなくなってしまう。

パーソナルジムが効果的だというのは嘘だった

先に言ってしまうと、運動を始めてから1年間、ジムに入会しては辞めてを4回ほど繰り返した。すべて失敗。ほぼ何の成果も得られず終わった。
2023年  9月   パーソナルジムA(家から徒歩3分)に入会
2023年11月     パーソナルジムAを退会

2023年12月    パーソナルジムB(家から徒歩7分)に入会
2024年  2月    パーソナルジムBを退会

2024年  3月   パーソナルジムC(家から徒歩10分)に入会
2024年  4月   普通のジム(家から徒歩12分)に入会
2024年  5月   普通のジムに一度も行かずに退会
2024年  9月   パーソナルジムCを退会              ※いずれのパーソナルジムも週1~2のペースで通った
我ながら酷い結果である。そもそもが、短絡的に「パーソナルトレーニングに通えばいい」、と思い込んだのが間違いだったのだ。どのジムも続かなかった理由は明白だ。筋トレがまるで面白くなかったのだ。内容も面白くなければ、できるようになる感覚が少しもない。

運動について調べると、どこもかしこも「基礎代謝を上げろ。そのためには筋トレだ」と出てくる。筋トレをしたら基礎代謝が上がるのは事実だろうし、基礎代謝が上がれば食べた分を消費する分量が多くなる。その結果、肝臓に脂肪が蓄積されることもなくなり、血液検査の結果もよくなるという寸法だ。理屈はわかっている。そしてそれなりの数の人がこのやり方で結果を出しているからこそ、パーソナルトレーニングが流行ったのだろう。

でも、世の中には筋トレをしてもなかなか効果が出ない人種がいる。私は人に比べて驚くほど非力なのだ。学生の頃、部活でバスケとバドミントンを結構しっかりやっていたにも関わらず、いくらやってもひょろひょろのままだった。腹筋なんて生まれてこの方一度もできたことがないし、逆上がりもできる様子がない。筋肉がつきづらい体質なのもあるだろうけれど、根本的に体の使い方がものすごく下手くそなのではないかと思っている。
『こう動かしてこうするんだよ』と懇切丁寧に教えてもらっても、どう動かせばどう動くのかがまるでわからないし、体を動かしている最中、自分の体がどうなっているのかが本当にわからない。運動音痴の人なら共感してくれるはずだ。

ジムのトレーナーさんに『背中の筋肉を意識して』と言われても、どこをどう意識したら“効かせたい筋肉”が動くのかさっぱりわからない。8Kの画像を要求されているのに、こちらのスペックの問題でドット絵程度の画素数しかない、みたいな感じである。
その上、もう10年以上まともに体を動かしていなさすぎて、体はガッチガチに硬い。動かしたい筋肉を動かそうとしても、他の部分もごっそり動いてしまう。
パーソナルトレーニングに通うことで、少しずつでもできるようになっているのがわかればよかったが、1ミリどころか1ミクロンくらいしか進んでいなかったと思う。トレーナーというプロの手を使ってもこのザマだったので、私には本当に筋トレの才能がないのだろう。
筋トレそのものが苦手であること以外にも、パーソナルトレーニングが向いていなかった理由はいくつかある。ここに自己分析の結果をまとめてみた。

①不得意 : 筋トレが人より苦手で習得するまでの道のりがあまりにも長すぎた。
②楽しさ : 筋トレにゲーム性がなく、「楽しいから続けたくなる」という欲求が生まれなかった。
③達成感 : そもそもが体が硬すぎて筋トレできる状態になっていない可能性。
       体が上手く動かせず、弱い負荷にせざるを得ない。効果は薄く、“やっている感”もない。
④性格  : パーソナルジムは、トレーナーさんの言うことを丸ごと100%素直に聞いて、
      食事含めて生活を根本的に改善し、どれだけ日々続けられているかを
      定期的にトレーナーさんに報告して褒めてもらうことで結果を出していく設計である。
      私はこの、「素直に言い付けを守る」が全くできず、すぐ自分流にアレンジしたり、
      意味がないと思ったことは無視したりしてしまう。

なお、この性格のせいで受験の時期に通っていた塾も効果がなかった。「プロが言うからつべこべ言わずに遵守する」がどうしても苦手だ。昔から、自分の頭で考えて、自分が心から納得して、絶対に効果があると思えたことしかできなかった。その上、「トレーナーさんに定期的に会ってモチベーションを保つ」ようなタイプでもない。私にとって、他人と会うことは自分のモチベーションにはならない。
逆に言えば、だ。ある程度の体の使い方を心得ており、「体が変わっていく結果」に楽しさをやゲーム性を見出せて、運動における達成感を得られて、トレーナーさんの言うことを丸ごと素直に聞けて二人三脚でモチベーションを保てる人ならば、パーソナルジムに通うのは抜群に効果があるのだと思う。

じゃあ、自分に合っているものは何か?

これを踏まえて、自分に合っている運動を考えてみよう。
ポイントは、筋トレ以外の運動で、ゲーム性があって楽しく、運動をやり切った達成感があり、マンツーマンで誰かの言うことを聞きながら進めていく形式ではないもの。これらを満たすには何がいいだろうか。
「得意・不得意」、「楽しさ(ゲーム性)」、「達成感」、「性格」の中で最も重視すべきは「楽しさ」だろう。というのも、私はたったひとつのオンラインゲームを10年以上毎日続けており、アクション性の高いバトルが苦手にも関わらずコツコツ努力した結果、気づけばある程度うまくなっていた経験がある。。これはひとえに楽しいからにすぎない。すべてにおいて「楽しい」が最強なのだ。
これを応用して、パーソナルトレーニングを辞めた翌月から、ゲームのようにドーパミンが出るものを試してみた。

2024年10月 「音ゲー×フィットネス」のゲームを何本かやる
2024年11月 家でやるゲームは続かないと悟る
2024年12月 暗闇フィットネス系のジム(家から電車で30分)に入会
家で体を動かす音ゲーは、楽しくはあったが、それ以上に毎日続けている好きなゲームがあるせいで、家にいるときはそちらのゲームを優先してしまい、いまいち続かなかった。「少しくらい我慢して続けてみろよ」、と思うかもしれないが、それができるなら最初からこうはなっていない。飽き性で堪え性がなく永遠の5歳児な性質がどうやっても直らないならば、自分の行動を、そこ基準で合わせていくしかないのである。
そして、ついに最終結論に辿り着く。
2024年12月に入会した「暗闇フィットネス」は、なんと今もなお続いている。1年以上、毎回行けば「楽しい」と思えてここまできた。
「暗闇フィットネス」というのは、ここ数年で流行り始めた、暗闇の中で音楽に合わせて体を動かすタイプのジムである。暗闇なので激しく運動している姿を周りに見られることもなく、それでいて周りの人たちと一緒に体を動かす一体感があるので「みんなで汗かいて楽しいね」というのがウリらしい。

私としては、別に暗闇である必要もなければ、みんなで一緒にやることに何の魅力も感じてはいない。だが、この「暗闇フィットネス」というジャンルはどこのジムへ行ってもだいたいが音楽に合わせて体を動かすプログラムになっている。これが「ゲーム性のある楽しさ」にドンピシャで当てはまっていた。音楽に合わせて正確に動く運動は、まるで音ゲーをしている感覚になる。筋トレのような無酸素運動ではなく、汗を思い切りかく有酸素運動なので、体を動かした達成感も大きい。

最初、電車で通うことに抵抗があり、遠いがゆえに途中で辞めるのではないかと思っていたが、そんなことはなかった。「楽しさ」はすべてを解決する。
長い目で見れば筋トレ(無酸素運動)をして基礎代謝を上げたほうがいいのだろうけれど、続けたいと思えない無酸素運動よりも、続けたいと思える有酸素運動のほうがよっぽどいい。

2年間で肝臓の数値はよくなったのか?

最初に肝臓の数値を指摘されてから2年以上。数値はよくなったのだろうか?
その結果がこちらである。
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一番右の2024年3月が運動を始めて半年ほどたったときのもの。以前150あったALTは79まで下がった。だいぶ頑張ったが、これでもまだ正常値の倍はある。そして実はパーソナルジムの3店舗目を辞めた頃(2024年9月)には、36まで下がっており、かなりよくなっていた(正常な数値は5~40)。だから一年間の筋トレは全く無駄なわけではなかったのだろう。けれど、γGPT(ALTとはまた別の肝臓の数値)やコレステロール、中性脂肪などは高いままだった。

それが2025年7月。なんとほぼすべての数値が突然、正常範囲におさまった。暗闇フィットネスに週2で通って有酸素運動を始めてから約半年後のことだった。

ところで、体重のほうは?

肝臓を治すためにすることは、ダイエットですることと同じ、と前述した。そのときに肝臓が悪いと、「いくらダイエットをしても痩せない」とも書いた。そう、これだけ血液検査の数字上は健康そのものになったにも関わらず、体重はほとんど減っていない。あくまでも、「酒と食を楽しむのはやめない」と決めているのもあるが、運動した日はタンパク質を意識するなど、以前と比べたら薄っすら気にするようにはなっているのに、だ。

そもそもが肝臓が悪いと「体重を減らす」というスタートラインにすら立っていないように思う。
血液検査の結果にしても、運動を始めたのが2023年9月で、一気にすべての数字がよくなったのが2025年7月。この2年の間、辞めてもすぐに他のジムに入会することを繰り返し、なんだかんだでずっと週2で運動していたのに、常にどこかしらが悪い状態が2年も続いていたわけだ。

これは医学的な知識も何もない私の素人考えにすぎないが、肝臓が悪いと脂質などを分解する機能が衰えており、たとえるなら「部屋が物だらけで足の踏み場がなく、掃除機をかける以前の問題」、という感じなのではないだろうか。
ダイエットをしても思うような効果が出ない人は、まずは肝臓の機能を調べてみてほしい。食の不摂生で肝臓を傷めた人がダイエットを目標にする場合は、まずは肝臓を治すことからになるため、人よりも倍は時間がかかることを覚悟したほうがいい。多分。

続けるコツ=自分を動かす最優先事項を知ること

最初、私は「効果が高いらしい」という理由でパーソナルトレーニングを探し、運動は好きではないからせめて家から近くないと続かないだろうという理由で近所のジムを選んでいた。ついでに言うと、パーソナルトレーニングは着替えも靴も不要で借りられるため、家からジャージを持って行く煩わしさがないのも重要だと思っていた。でも、違っていた。それは私にとっての最優先事項では全くなかった。

もちろん、今通っているジムにジャージや靴の貸出があれば嬉しいが、それがなくても続けられているのは、私にとって「楽しさ」は、「効果」「距離」「面倒さ」など他のあらゆる要素を上回るということだ。楽しければ効果が低くても通うし、楽しければ家から遠くても通うし、楽しければ着替えを持参する面倒さも許せる。

また、仮に半年だけ歯を食いしばって努力したとしても、それが続けられなければ何の意味もない。生活の一部にしても差し支えないくらいに自分のモチベーションが持続する要素は何か。何かを続けて達成したい目標があるならば、通う店や施設をスマホであれこれ検索するよりも、自分の特性について三日三晩考え続けたほうが効率がいい。もし、何をやっても続かない人は、続かなかった理由と徹底的に向き合ってみてほしい。これが呆れるほどに飽き性な私が辿り着いた「続けるコツ」である。

余談だが、私の性格をチャットGPTに入力し、「物事を続けるコツ」について聞いてみたら、ものの5秒で全く同じ答えを提示してきて悔しかった。私はここまで辿り着くのに2年もかかったのに。ちくしょう。

(文/朝井麻由美)