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親が死ぬのが怖い…その気持ちとどう向き合って最期の時間を過ごすべき?【第49回:カマたくのお悩み解決サロン 開き直ればウェルビーイング!】

仕事に趣味、恋愛にお金…頑張り続けるかぎり、私たちの悩みは尽きません。でも、モヤモヤしたままじゃウェルビーイングな暮らしは営めない!仲間と良い関係を持つことや、悩みを周囲に話すこと、社会とのつながりを持つことが良いことは分かりつつも、うまくやるのは難しい…

そんな悩める皆さんのお悩みを、Xのフォロワー数138万人超え、歌舞伎町1クセの強いゲイバー店員カマたくが、バッサバッサと斬っていきます。時に優しく、時に厳しいアドバイスでウェルビーイングな暮らしに一歩近づけること間違いなし。毎週更新でお届けします。
本日のお悩み
『父親ががんになりました。手術では切除できず、抗がん剤治療を開始します。ご飯も食べられない中、体力と気力だけで本人が諦めるまで続きます。
父は生きたいと頑張っているのですが、私の方が父が死ぬかもしれないことにとても恐怖を覚え、日常生活が何も手につかない日々です。この気持ちとどう折り合いをつけたらいいのでしょうか?』
(30代女性/会社員)
ーー親御さんのご病気、お辛いでしょうね…

そうね…でも、親が死ぬってことは、怖いことじゃないわよ。少なくとも私はそう思ってる。自分だっていつか死ぬんだよ。もちろん、苦しまずに死んで欲しいとは思うけど、とにかく最期は誰にも選べないし、どうなるか分からない。そういうものなんだよね。

ーー怖いことじゃない…確かに皆いずれ死ぬと言われればそれまでですけど…

うーん、私があんまり怖くないってだけよ。もちろん、悲しいとは思う。悲しいけど、しょうがないことなのよ。私が病気とかにならない限り、親は基本的に絶対私より先に死ぬからね。

私のお母さんが、もし病気になって先が短いですってなったら、相手はどうしてもらったら嬉しいかなっていうことを考えることに時間を使いたいかな。

ーー相手はどうしてもらったら嬉しいかを考えることに時間を使う…素敵な考え方ですね。実際、辛いけど、病気という事実には向き合わなければならないんですよね。

悩んでも病気が治るわけじゃないからね。どうしていくかを考えるしかない。あとは、相手がどうしたいかを聞いて、できる限りそれに合わせてやっていくしかないのよね。

ーーそうなんですよね…確かに、そうすることで、最期を迎えたときに、自分のやれることはやったんだと思えるかもしれないです。それは自分の支えになるかも。

死ぬことが分かってる状態でできることって、それしかないんだよね。でも、いつかはみんな必ず死ぬの。そればっかりはもう本当に変えられないことだし、病気じゃなくても明日死ぬ可能性は全然ある。普通に生活してると感じられないだけで、その可能性はいつもあるんだよね。

ーー私も家族を事故で亡くしているので、その感覚はなんとなく分かるような。死ってすごく特別なものって感じがしてしまうけれど、実は毎日生きていることの方が結構奇跡なんですよね…

そうなの。いつかは誰にでも訪れるものだから、あなたもそうなのよってことよね。余命を宣告されたりすると急に意識しちゃうだけで、結局はみんな生きてる時間をどうやってより良くするかっていうことでしかない。

だから、今回のお父様のことも、すごく悲しいと思うけれど、限られた時間で何ができるの?って考えてあげてほしいかな。

ーーそうですよね。悲しい、怖いっていうのはやっぱり避けられない感情だけれど…

自分の人生だから、自分が何に時間を使って、どういう行動をとるかっていうのはいつも自由なんだけど。ずっと悲しんでる相談者さんを見ていたら、お父様も辛くなっちゃうんじゃないかしら。

ーー相手のことが大切だからこそ、いなくなってしまうというのは本当に悲しいし、怖いことだと思います。でも、死んでしまうことがわかっているからこそ、相手の残りの時間に何ができるかということを考えなければならないんですね…カマたくさん、今週もありがとうございました!

「歌舞伎町一クセの強いゲイバー店員」カマたくが皆さまのお悩みに答えます!

毎月ピックアップさせていただいたお悩みとその回答を、ウェルチルの記事内で公開いたします。  公開時には匿名とさせていただきますので、普段なかなか相談しづらいけど誰かに聞いてほしい…そんなお悩みがある方はぜひ下記のフォームからご回答ください!  

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カマたく’s アドバイス
身近な人の死はとても悲しいことだけれど大切なのは、死んでしまうのが怖いということよりも、生きているうちに何ができるかということ。自分の”悲しい”、”怖い”という気持ちももちろん大切だけれども、お父様はあなたが悲しんでいる姿を見続けたらどう思うかしら。お父様が何を望んでいるか、今のうちにたくさんお話をして考えてあげることが、相談者さんがその先をより良く生きることに繋がると思うわ。
カマたく:
1988年12月17日生まれ。福島県出身。ソーシャルメディアインフルエンサー。2017年〜新宿・歌舞伎町のゲイバー「CRAZE」にて店員として従事、歌舞伎町イチ癖の強いゲイバー店員として、本格的にX(旧Twitter)への投稿を開始。SNSでのショート動画や自身のYouTube『3人勘女@カマたく』での歯に衣着せぬ物言いが人気を集めている。2020年に『頑張らなくても意外と死なないからざっくり生きてこ』(KADOKAWA)、2021年に『お前のために生きてないから大丈夫です カマたくの人生ざっくり相談室』(KADOKAWA)を出版。2024年2月17日には、最新の著書『お前は私じゃないし、私はお前じゃない~悩みが0になる人間関係術』(大和書房)を出版している。

取材・執筆/和田愛理