大相撲といえば国技館、力士の迫力ある取組、そして「ハッキヨイ!」の掛け声。興味はあるけれど、「なんだか難しそう…」「力士さんたちの見分けがつかない…」などと思っていませんか?
実は、相撲の魅力は迫力ある取組だけではありません。相撲愛にあふれるスー女、山根千佳さんがグルメやイベント、力士の人柄など、初心者の方にもわかりやすく大相撲の魅力を語ります。第六回は「身近な相撲コンテンツとスー女ブーム」についてお聞きしました。
山根千佳:
1995年12月12日、鳥取県出身。2012年、「ホリプロタレントスカウトキャラバン」ファイナリストに進出。翌2013年、芸能界デビュー。相撲好きなことからその知識を生かした大相撲関連の番組などでも活躍。2024年には自身初となる著書、『山根千佳の大相撲の歩き方』(マイクロマガジン社)を出版している。
観戦以外にも楽しめる大相撲コンテンツ
もともと相撲は、おじいちゃんやおばあちゃんが楽しむコンテンツというイメージが強くありましたが、最近では少しずつ若年層の方々にも親しまれているような体感があります。
日本相撲協会の公式Xなどでのオフショットがバズったりして、ギャップ萌えといいますか、力士の方が「かわいい」という声もすごく増えましたよね。遠藤関や翔猿関のように、イケメン!といわれる女性人気の高いスター力士も本当に増えました。
Netflixで話題になった『サンクチュアリ -聖域-』という大相撲を題材にしたドラマの配信も大きかったのではないでしょうか。不良少年が借金と過去を背負いながら相撲部屋に入門し、金目当てから始めた相撲を通じて仲間や伝統に触れ、「本物の力士」へ成長していく物語です。
『サンクチュアリ -聖域-』の配信以来、これまで相撲に全く興味のなかった私の友人も「やっぱり一度大相撲を見に行ってみたい」と言ってくれるようになって。話題になっているとは思いましたが、ここまで影響が大きいとは…とその時感じましたね。
あとは、相撲部屋のYoutubeチャンネルも若年層の相撲人気の一因だと思います。特に、二子山部屋のYoutubeチャンネルはとても人気です。今話題の十両・三田関が所属している部屋で、新進気鋭の力士の方々が多い印象のお部屋ですね。人気の動画だと、世界中で300万再生されていたり、相撲をあまり見たことのない方々からも支持されている印象です。
稽古風景だけでなく、ちゃんこやラーメンなどの夕食風景やナイトルーティンなど、力士の日常生活に焦点が当たっているのが特徴です。夕食風景は、言わずもがな大食い動画の側面としても人気がありますよね。力士の皆さんの食べっぷりは見ていて気持ちがいいんです。
そういったコンテンツの台頭もあり、これまでの「お堅い競技」という印象から、少しずつ親しみやすいものになりつつあると思います。実際、二子山部屋はYoutubeの影響で熱狂的な女性ファンが多いんです。取組の時にも、二子山部屋の力士の時だけ、なんだか黄色い声が上がっているような(笑)本場所からでなくても、そういうところを入り口に相撲に親しんでくださる方がもっともっと増えたらいいなと思いますね。
相撲女子・スー女ならではの相撲の楽しみ方
観戦に行くと、スー女の仲間の皆さんが声をかけてくださるのはとても嬉しいです。その会場でお友達になったり、次回は一緒に観戦に行ったりなど、そういったどんどん輪が広がっていく感じが楽しいんです。スー女同士はなんとなく仲間意識が芽生えるというか。
やはり、女性ならではの相撲の楽しみ方もありますよね。本場所に浴衣や着物などの和装揃えにして観戦に行ったり、応援グッズやバッグもオリジナル仕様にデコレーションしたりとか。あとは、ガチャガチャなどのグッズ収集や交換なども楽しいですよ。
SNSでも、スー女の方に声をかけていただくとやはり嬉しいです。大相撲を観戦する若い女性って、これまでは圧倒的に少なかったんですよね。最近は、自分と同年代、年下の女性が出待ちをしているのを見ると、なんだか嬉しい気持ちになります。どんどんスー女の輪が広がってくれるように、私も頑張らないといけないなと思います。
取材・執筆/和田愛理