仕事に趣味、恋愛にお金…頑張り続けるかぎり、私たちの悩みは尽きません。でも、モヤモヤしたままじゃウェルビーイングな暮らしは営めない!仲間と良い関係を持つことや、悩みを周囲に話すこと、社会とのつながりを持つことが良いことは分かりつつも、うまくやるのは難しい…
そんな悩める皆さんのお悩みを、Xのフォロワー数138万人超え、歌舞伎町1クセの強いゲイバー店員カマたくが、バッサバッサと斬っていきます。時に優しく、時に厳しいアドバイスでウェルビーイングな暮らしに一歩近づけること間違いなし。毎週更新でお届けします。
本日のお悩み
『夫の両親が、夫のことをいつもバカにします。「見た目が悪い」「こんなバカで大丈夫?」「離婚を考えないの?」など、冗談っぽく私に言ってきますが、毎回腹が立ちます。
夫は小さい頃から両親にそう言われて育ち、今も平気なふりをしていますが、陰で泣くこともあります。夫は努力家で会社を経営しており、バカにされるような人ではありません。私は夫をどう支えたらいいでしょうか?』
(30代女性・会社員)
――珍しいパターンですね…旦那さんのご両親が、実の息子をバカにするっていうのも…
確かに。あんまり聞かないよね。親が「ちゃんとしなさい!」って厳しく育てすぎて、その延長線上で今も“いじり”みたいに扱ってるパターンなのかしら。あとは、奥さんに対して過度な謙遜をしてるとか?
――過度な謙遜、ありますね。奥さんとしては、なんだか複雑な立場ですけど。
ちょっと立ち位置が難しいよね。でも、直接ブチギレるのは逆効果なんじゃない。真正面から言い合っても、雰囲気が悪くなるだけというか、泥沼になるだけ。まあできることといえば、旦那さんがどんなにいい人勝手いうのを熱弁するしかないんじゃないかな。
例えば、親御さんの前で、「世の中の平均年収ってこれぐらいですけど、〇〇さんはこれぐらいなんですよ」って、淡々とデータで返す。感情では黙らせられないんだったら、事実で静かにフォローするしかないよね。
――感情ではなく、データで返すって面白いですね…
そうそう。「あなたの息子さん、実際こうですよ?」って、第三者のように冷静に伝えるのが一番いい。親って、感情論には鈍感だけど、“数字”とか“社会的評価”には急に反応したりするのよ。
「会社経営してて」「従業員もいて」「お客さんにも信頼されてて」って言えば、ちょっと引っ込むかもしれない。親御さんを敵に回したいわけじゃないんだし、そう言い方しかできないよね。
――夫が傷ついてる姿を見るのが辛いという相談者さんはどうしたらいいんでしょう。旦那さんへのフォローというか…
うーん、実家に行って帰った後に、旦那さんのいいところ10個くらい伝えてあげたら?(笑)冗談じゃなくて、そうやって旦那さんの自尊心を回復してあげるしかないと思うんだよね。できることって。
“肯定の言葉”をかけてあげるって結構大事よ。「あなたの努力はちゃんと見てるよ」って。外の世界でその言葉をもらうことが、彼の“回復”につながるんじゃない。
――なるほど。義両親を変えるより、夫を支える方を優先したほうがいい?
そうね。他人を変えるって無理なことなのよ。でも、人を変えることはできないけど、関係の持ち方は変えられる。親がバカにしても、夫婦で笑い飛ばせる関係をつくれたら、勝ちだと思うのよ。
旦那さんが悲しい状態が続くなら、無理に会わせる必要もないし。距離を取るのも立派な選択だと思うけど。
ーー他人は変えられないけど、関係の持ち方は変えられる。親子関係だけでなく、人間関係全てに言えることですね。今週も、ウェルビーイングな毎日へのアドバイスをありがとうございました!
カマたく’s アドバイス
相談者さんができるのは、親御さんに怒ることじゃなくて、境界線を引くこと。夫を肯定し、親には静かに線を引く。それが家族を守る一番現実的な方法よ。家に帰ったら、旦那さんのいいところを10個くらい伝えてあげたらいいわ。そうやって身近に自分のことを認めて、支えてくれる人がいるという事実が旦那さんにとっての救いになると思うの。
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カマたく:
1988年12月17日生まれ。福島県出身。ソーシャルメディアインフルエンサー。2017年〜新宿・歌舞伎町のゲイバー「CRAZE」にて店員として従事、歌舞伎町イチ癖の強いゲイバー店員として、本格的にX(旧Twitter)への投稿を開始。SNSでのショート動画や自身のYouTube『3人勘女@カマたく』での歯に衣着せぬ物言いが人気を集めている。2020年に『頑張らなくても意外と死なないからざっくり生きてこ』(KADOKAWA)、2021年に『お前のために生きてないから大丈夫です カマたくの人生ざっくり相談室』(KADOKAWA)を出版。2024年2月17日には、最新の著書『お前は私じゃないし、私はお前じゃない~悩みが0になる人間関係術』(大和書房)を出版している。
取材・執筆/柳川愛理