ストレスとの付き合い方！放送作家・野々村友紀子さんに学ぶ “小さな楽しみ”を散りばめて自分を幸せにする方法

ウェルチルフェスタ

梅雨を楽しむ June 2025

今年のウェルチルフェスタで開かれたトークショーに参加しました。仕事や子育てに追われる日々。自分の時間がなかなか取れない私にとって、放送作家・母親として多方面に活躍する野々村友紀子さんのお話を聴くことができるチャンスを逃すわけにはいきません。芸人・O L を経て放送作家となり、今では鋭いコメント力を活かしてテレビでも注目される彼女から、生きるヒントを得ることができました。そこで得た学びと感想をレポートします。

【登壇者プロフィール】野々村友紀子さん

1974年8月5日生まれの放送作家。大阪府出身。２丁拳銃・修士の妻。芸人として活動後、放送作家へ転身。現在は吉本総合芸能学院（ＮＳＣ）東京校の講師、書籍・脚本等の作家業に加え、メディア出演など多方面で活躍中。2021年12月に7冊目の著書「アカンヒトズカン」（学研プラス）を出版。

家事と育児に追われる日々。立てっぱなしの傘にイライラ、見えない家事がきっかけに

NSC卒業後に芸人として活動し、その後構成作家へ転身した野々村さん。お子さんが生まれてからはしばらく仕事をセーブしていましたが、お子さんの小学校入学後、仕事を増やすようになったそうです。旦那さんは家事や育児にも協力的でしたが、バタバタと忙しい日々に「自分ばっかり忙しい」とイライラすることが増えたと話します。

ある日、傘をたたむというたった1つの家事が出来ないもどかしさに気づき、“見えない家事”を可視化。作成した“家事リスト”は140項目以上にのぼり、旦那さんにチェックしてもらったところ、8個しか丸がなかったというエピソードを披露してくれました。

そのリストがきっかけで、旦那さんは先回りして家事をやってくれるようになり、自ずと「ありがとう」という感謝が増え、夫婦仲がよくなったという効果が。ダメ出しをしたくなっても「未来の自分の味方のため」と考え、旦那さんと協力しているそうです。

自分のやりたいことを我慢しない。自分の意見を伝えやすくする“サンドイッチ型”がオススメ

明るくお話をする彼女ですが、ある時こんなことも。２人のお子供さんがまだ小さい頃、車で大泣き。運転中の旦那さんは泣き止まそうとせず、野々村さんにお任せのスタンス。いつも野々村さん頼みの旦那さんに、日頃の蓄積されたストレスも相まってイラッとしてしまい、衝動的に車から飛び出してしまいました。その後、我を取り戻して慌てて帰宅したところ、子供たちは平和に遊んでおり旦那さんからも「大丈夫？リフレッシュできた？」と声をかけてもらった野々村さん。

その一件を振り返り、「機嫌は自分で取れるようにせなあかん」と話す野々村さん。ストレスが溜まると嫌な空気を出してしまうため、そのせいで家庭もなんとなく嫌な感じになってしまう。「自分が出す嫌な空気は、回り回って自分に返ってくる。家族には少しでも機嫌よく出かけて欲しい」と考えているのだとか。

また、伝えにくいことでも「相手のことをちゃんと考えて言う言葉なら大丈夫」と力説。褒めてから指摘し、またフォローするという“サンドイッチ型”が良いそうです。また、子育てをしていると、悪いことばかりに目が行ってしまいます。けれども、良いことをしている時に褒めると、「親が見てくれてる、褒めてくれてる」ことが嬉しくて、維持しようとがんばるそうで、「褒める時に大袈裟に褒めて、サラッと叱って」というアドバイスも。

野々村さんのNSC時代は、ギラギラした人が多かったそうですが、今の世代は「あっさりした人が多い」という印象なんだそう。「きつく怒るとすっごい落ち込んじゃう」と指導の難しさを感じつつも、普段あなたの良いところを見ているよとアピールしつつ、あなたが伸びるためだよということを意識して伝えるようにしていると語ってくれました。

悩み相談にも、ユーモアあふれる回答。―元々は引っ込み思案な性格だった

まっすぐで強くて優しい野々村さん。実は、一人っ子で引っ込み思案な子どもだったそうです。自身の性格を損だと感じ、「手を挙げられる人になろう」とちょっと勇気を出してみた結果、今のような性格になったと笑っていました。急に性格を変えることは難しいですが、その一歩として、“お互いに隠さず通じ合える人を見つけて相談できると良い”と語っていました。

公式SNSに届いた質問にも答えてくださり、思春期の娘さんに困っているという方へは、「この子が喋ってるんじゃない、これは（成長）ホルモンが喋ってるんだ」「大人になるためのステップなんだ、がんばってるんだ」と考えたら、愛おしくなったとコメント。まさかの答えに、会場が笑いに包まれていました。部下を強く注意することが難しいという質問や夫の浮気をどうすれば良いかという、答えるのに躊躇ってしまうような質問にも、温かく親身に答えてくれていました。

最後に、女性は会社員・母親・妻など、色々なところで付き合いを広げていく役割を担うことが多いと話します。自身のことを我慢して後回しにしてしまうけれど、「自分の幸せを一番に追い求めて、周りを幸せにする」ことを大切に頑張ってほしいというエールを送ってくれた野々村さん。子育てをしていると、子どもたちの幸せを優先してしまいます。けれども、「何歳になっても、まずは自分が幸せであること」「小さなことを散りばめて、これがあるから頑張ろう」と思えることが大切なんだそう。小さな幸せを散りばめて、自分が幸せな姿を見せることで、あんな風になりたいと思って貰えば良いんだという言葉に、ハッとさせられました。

まとめ

生きるためのヒントをいくつも紹介してくれた野々村さん。家族へ感謝の気持ちを伝えたり、ストレスを溜めないように自分のやりたいことをやったりなど、すぐにできることばかりですよね。相手に自分の気持ちを伝えるために取り入れる“サンドイッチ型”の提案については、大人だけでなく子どもにも有用。ついつい叱ってしまいがちですが、褒めることを大切にしていきたいと思います。まずは自分の幸せのため、日常の中に小さな楽しみを散りばめて、自分のことを大切に過ごしていきたいです。

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