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季節や気分によってお茶を選ぶ〜中国・台湾茶の気軽な楽しみ方〜 講師:大島 榎奈さんインタビュー(前編)

忙しい毎日の中でも、たまにはお茶をいれてほっと一息…ウェルビーイングのために、そんな習慣を大切にしている人も多いはず。今回は、ナレーターやフリーアナウンサーとして働く傍ら、中国茶・台湾茶を扱うカフェ「一叶」を経営する大島 榎奈さんに、普段の習慣やお茶の魅力、今後の目標などについてお話を聞きました。
ーー日常生活の中で、ウェルビーイングな暮らしのために行っていることはありますか?

山にお茶を飲みにいきます。とはいっても、そんなに本格的な登山じゃなくて、生駒山とか、近くの低山です。最低限で言えば、トイレとテーブルがある公園で構わないのですけれど、そういうところに淹れたお茶を持っていくんじゃなくて、茶器を持っていってそこでお茶を淹れるっていうことを楽しんでいますね。

中国や台湾では、携帯茶器などもあって、外でお茶を楽しむ方も多いそうです。一人でも、自分の好きなお茶と自分の好きなお茶請けを持っていって、1時間くらいのんびりお茶を飲んでいますね。

お茶のチョイスも気温によってや、昨日重めのものを食べたからこれとか、自分の調整と言う意味も兼ねて選んでいます。また、中国や台湾ではお茶は薬という考え方もあって、甘いものではなくナッツとかドライフルーツなどと合わせることが多いんです。自然の中で、自然な味を楽しむようにしています。

ーー最近没頭していることはなんですか?

私は自分でカフェの経営も行っているので、その新商品開発に頭を悩ませています。商品のパッケージのデザインはどうしようとか、新しいスイーツは何にしようとか、アイデアが浮かばないときはChat GPTに聞いたりもしています(笑)。

カフェのメニューを考える時には、どこにでもあるようなものではなく、地元の食材とか、地域にあるものを活かそうと心がけています。私自身、大阪市立大学の創造都市研究科の大学院を出ていて、そこで地元のポテンシャルを活かした街づくりということを学びました。

今は地元の豆腐屋さんの豆乳を使った豆花や、地元産の果物を使ったスイーツをお出ししています。

またお店がある兵庫県の出石には、出石焼という白磁の陶器があるんです。中国の緑茶は、現在でも手摘みが守られていて、茶葉が細かくカットされていないのでお茶の色が薄いんです。その淡い色を楽しんでもらうためには、出石焼の白磁がぴったりだと思っています。

以前はよく知られていた出石焼ですが、現在は窯元が3軒しか残っていません。だから、お茶と一緒に出石焼もアピールしていけたらなと思っています。

ーー大島さんのお茶への愛がひしひしと伝わってきました。大島さんにとってお茶とはどのようなものなのでしょうか。

うーん、難しいですね。ひとことで言えば、「不思議なもの」です。中国茶や台湾茶って、人工的にフレーバーを付けているわけでもないのに、花や果物の香りがするんですよ。それは茶葉そのものの力なんですよね。人間が何か手を加えたわけではないのに、いい香りがするって不思議なことだと思いませんか。

中国や台湾では、100グラム何万円っていう値段で売ってるようなお茶もあるんですが、そういうお茶を買う人がちゃんといる文化なんですよね。国をあげてブランド化を進めることによって、お茶を素晴らしいもの、価値のあるものとして残していくことに繋がっているんだと思います。

後編へ続く