前半では、無駄な力を抜くことの大切さや、自然の中で自分を整える暮らし方、ダンスによるストレス解消などのお話が印象的でした。後半では呼吸を使った心のリセット法や日々の顔のメンテナンス、新たに挑戦しているカメラの世界について、さらに詳しくお伺いします。
呼吸を整えてネガティブな感情をすべて吐き出す
――前編で、リラックスするときに呼吸を意識するというお話がありましたが、具体的にどのようにすればいいですか?
間々田さん:私は細胞1つ1つに心があるとイメージしています。緊張したときは、細胞たちを緩めさせる意識をしながら息を吐くんです。息を吐く時に、無駄なものを全部吐こうと。無駄というのは、ちょっとしたイライラとか、「これをやらなければ、あれをやらなければ」というさまざまな思いです。それを全部自分の中に溜め込むのではなく、呼吸とともに勢いよく吐き出すようにする。
年を重ねていくと、そういう余分なものを溜めているともったいないなと思うようになりました。余計なものが入ってくる隙はない、常にフレッシュな感覚でいたいと。いいものを入れて、息を吐くのと同時にいらないものは全部吐き出す。毎日ではありませんが、本当に困った時は吐き出すと、リセットされる感覚を得られますよ。
顔のメンテナンスは“正しく動かす”ことから
――表情筋のトレーナーとして、ご自身のメンテナンスは?
間々田さん:毎日「顔を動かす」時間をとって、ちゃんと使えているか確認しています。口角が下がっていないか、鏡を見てチェックするとか。私自身、ちょっとした姿勢の崩れや顔の歪みに気づいたら、その場で修正するようにしています。
首の骨や鎖骨などを手で触れるのも大事ですね。首の後ろなんて、骨が何本あるか気にしたことがない方が多いと思いますが、触ってみて、鎖骨はここだよなとか、自分の体に興味を持って触ってみると「ここが凝っていたのか」とか「ここに力が入っているのか」とわかります。不調に気づきやすくなりますし、早めにケアもできます。
新しい挑戦はカメラ! きれいになった表情を撮りたい
――最近はまっていることや、没頭していることはありますか?
間々田さん:実は今、カメラの勉強をしているんです。オンラインで学べるスクールに入り、ほぼ毎日課題を出して撮影しています。みなさんのきれいになった顔を撮ってあげたいのですが、まだうまく撮れないのでそれがもどかしいですね。
――カメラを通して、どのようなことを実現したいのでしょうか?
間々田さん:いろんな方の顔を撮るときに、その人の内面や人生を表すようなシワやたるみ、表情の奥深さをきちんと写したいと思っています。私自身、シワやたるみはその人の人生を映すもので「あってもいいもの」と考えているんです。もちろんエイジングケアとして不要な部分を減らすお手伝いはしていますが、笑いジワはその人が重ねてきた人生の証でもあります。そこに素敵な味があると思うんですよ。だからこそ、シワやたるみを否定せずに、その人の魅力として写真に収めたいですね。
――表情筋のトレーニング指導と合わせて、さらに活動の幅が広がりそうですね。
間々田さん:カメラはまだ趣味の領域ですが、ゆくゆくは仕事にも活かしていけたら最高です。笑顔は伝染するので、自分が笑顔でいるとまわりも自然と笑顔になる。そうすると私自身も嬉しくなる、という好循環が生まれます。もし写真でもその瞬間を捉えられたら、その笑顔は形として残せますよね。カメラと表情筋トレーニングを掛け合わせて、多くの人をハッピーにできたら素晴らしいと思います。
取材を終えて
インタビューを通じて、力を抜くことと呼吸の奥深さを感じました。美容としての顔のケアだけでなく、体全体や心の状態にも関わっていることが印象的です。さらに新たな挑戦としてカメラの世界にも踏み込み、「人の人生が刻まれた表情を肯定的に捉えたい」という間々田さんの姿勢は、多くの人に前向きなエネルギーを届けてくれそうです。
プロフィール
毎日10分の表情筋トレーニングでなりたい顔になる!
講師:間々田佳子(表情筋研究家)
顔ヨガ講師を経て、表情筋研究家に。⾃⾝のたるみ・⽼け顔を改善した経験をふまえた顔の筋トレがメディアで話題に。講座受講者はのべ3万⼈を超える。 2020 年、顔を引き締め、表情や印象をピンポイントで変えていく顔の最強メソッド「コアフェイストレーニング(間々⽥式顔筋トレ)」を考案。現在は、企業のプロモーション、イベント、研修、顔の筋⾁・ 表情・印象に関連するアドバイザー、執筆、雑誌やTV出演等など幅広い分野で活躍。