「第二の人生を始めるのは50歳から」と40代に決めていた
ーー50歳で会社員勤めをやめようと思ったきっかけは?
私が働いていた頃の定年は60歳でした。そこまで働いてから、何か新しいことを始めたり、好きなことをして人生を楽しみたいと思っても体力的に限度があると40代の頃から思っていました。しかし、今後生活していく上でのお金の不安もあったので、その不安の少ないタイミングが50歳だったというのも一つの理由です。
ーー退職されてから一番初めにやりたかったことは?
まず、自家用車で日本一周の旅に出ました。会社勤めをしていた時も、車で九州に行ったりしていましたが、時間もないので高速道路で目的地まで行く旅行を楽しんでいました。退職してからは、とにかく一般道で旅をする自由な旅を楽しみました。日本一周といっても一度も自宅に帰らずに旅をするということではなく、何度か自宅に戻って、また出かけるという旅です。目的地は景色の良いところや、美味しいお食事をいただける場所です。事前に調べてはいるものの、一般道で行くことによって、途中で見かけた気になるお店に立ち寄ったりすることができ、新たな発見や出会いもたくさんあり、旅の醍醐味を存分に味わうことができた豊かな経験ができました。
ーーその後、気象予報士の資格を取得されたんですよね?
以前から気象予報士の資格取得にチャレンジしたいと思っていました。そして、もともと以前の職場で「第三種電気主任技術者」の資格を取得していまして、『“デンキ”の次は“テンキ”やな』と友人と面白おかしく話していたこともあります。メジャーな資格取得にチャレンジしたかったというのが本当の理由です。
気象予報士の資格を使って、テレビで活躍したい!新しい仕事にチャレンジしたい!とは全く思っていません。
合格後に、ただただ「バンザイ!」と喜びたいという一心で、1年間猛勉強しました。そして合格通知を受け取った日は嬉しすぎて1日中泣きました(笑)そんな時間が取れたことも退職したからこそ叶う時間の使い方です。
工作がライフワーク 子ども達と一緒に過ごす科学の時間は楽しみの一つ
ーー工作に興味を持ったきっかけは?
「第三種電気主任技術者」の資格を平成2年に取得したのですが、その頃、女性でこの資格を取得した人は国内で5名ほどしかいなかったと聞いています。それを珍しく思ってくださった「オーム社」の「新電気」という月刊誌で「科学実験と工作」というテーマで連載を頼まれたことがきっかけです。
その後、某車メーカーさんからの依頼で工作の小冊子を作る機会がありました。その時が私の中での「工作第二期」です。その後少し興味が旅行や、気象予報士に変わりました。
ですので、工作に関しては、車で日本一周の旅以前から携わっていた分野です。気象予報士の資格をとった後「旅行に行くにはまだ寒いな」と思い、もう一度工作をやることにしたんです。これが私の中での、「工作第三期」ですね(笑)。
出版社の依頼がなければ、ここまで熱中して取り組むことはなかったと思います。
ーー工作の活動はどこで体験できますか?
自宅に今まで私が作った作品を置いているので、知り合い限定でご覧いただいています。また、最近では兵庫県教育委員会主催の「サイエンス・トライやる」の講師として県内の小・中学校を訪問し、自作の実験道具で生徒さんに実験を行ってもらったり、手作りの工作品をみていただいたりしています。
子ども達が工作品をみて、「不思議!」と驚いたり、実験ができた時に喜んだりする顔を見るのが楽しくて。子ども達の笑顔に出会えるのが本当に嬉しい瞬間です。
ーー作品のアイディアはどこから閃いていますか?
材料を見たときに、「こんな動きしたら面白いかも」と思いつくことがあります。また、100円均一ショップで見かけた手動のおもちゃを見て、「電動で動かしたら面白いかも!」と思い、作った作品もあります。取得した「第三種電気主任技術者」の知識も活かして私なりの工作を楽しんでいます。
ーー今後チャレンジしたいことは?
毎年1000人前後の子ども達に自作の工作品を見てもらって、『不思議!』『ビックリ!』『おもしろい!』と言ってもらうのが幸せ♪私自身、次への意欲につながるとともに、子ども達に科学に関心を深めてもらえると嬉しいです。
▶︎取材を終えて
子どもの頃に科学館に行ったときに、「なんでこの機械はこんな動きするのかな?」と不思議に思ったことがきっかけで、科学に興味を持ったそうです。それが今やライフワークとなっている上橋さん。
ご自身の性格のことを「やりだすと止まらない」と表現されましたが、そこまで熱中して取り組みたいと思うことが見つかり、それを突き詰める時間と環境があることも素敵だなと感じました。
優しい口調で終始笑顔でインタビューに答えてくださる上橋さん。
そんな上橋さんのワークショップは、きっと楽しく科学に興味を持つきっかけになりそうですね。
上橋 智恵さん
第三種電気主任技術者と気象予報士の資格を持ち、その知識を活かしながら現在は科学工作クリエーターとして活動中。科学についての楽しさを子ども達に広めるため、実験・工作教室や科学工作品の展示会を行う。
主な活動拠点
①自宅で工作教室
最近は3Dプリンターを使った作品作りが主流。
②工作教室
科学館や公民館などからの依頼で小学生~中学生に工作を指導。
③工作品の展示会
科学館や公民館などで実施
④兵庫県内の小学校・中学校への出前授業(約20校を訪問)
・兵庫県主催の「サイエンス・トライやる」
・宍粟市主催の「理科おもしろ実験教室」
・小野市主催の「体験型教育研究会」など
授業内容はモーターに関するレクチャーと工作品の展示を行っています。
上橋さんが作成した工作は以下のホームページからご覧いただけます。
智恵の楽しい実験・工作メニュー
番組「ウェルチル 私と誰かにちょっといいこと」
関西テレビ放送で毎週水曜よる9時54分放送(関西ローカル)
次回もお楽しみに。