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引退したバスがサウナに生まれ変わる!? “移動型サウナバス”でバス事業に新風を吹き込む

バスとサウナを掛け合わせた「サバス」をご存知ですか? 一見すると普通のバス、でも中に入るとサウナ空間……株式会社リバースが手がける「サバス」は、引退した路線バスをサウナに改装。どこでも本格的なサウナを楽しめる移動型サウナバスとして注目を集めています。ユニークな事業のきっかけや未来の展望など、株式会社リバースの松原安理佐様にお話を伺いました。

バス会社から独立、新規事業の立ち上げへ

――「サバス」新規事業を立ち上げることになった経緯を教えてください。

松原:現在もバス会社の社員であり、自己資金で会社を立ち上げて、その会社に元の会社から出向しているという形をとっています。

もともと私は、企画や新規事業を考えてみたいという思いがありました。ちょうどコロナ禍でバスの通勤通学の需要がなくなってしまって、会社としても売上が厳しくなる中で「新しいことを考えよう」と社内でアイデアを募集する動きが出てきました。

私自身はそのとき、アイデアを出す側というよりは、それを取りまとめる運営事務局のポジションにいたんです。でも、実際にいいアイデアが集まっても、事業化まで進まないことが多かったんですね。

それなら私が実行する側に回って、成功事例を作ってみようと考えたのです。事務局にいる私は新規事業のために時間を使うこともできます。成功事例がひとつでもできれば、他の社員にも希望になると思いました。

なぜ「バス」で「サウナ」?

――バスを活用するにあたり、なぜサウナという発想に至ったのでしょうか?

松原:最初は移動式のリモート会議室やキッチンカー、宿泊施設など、いくつかアイデアを出したのですが、既に他の事例があり、目新しさや面白みに欠けると感じました。

自己資金を入れての起業ですので、最初が肝心という思いもありました。どうせ新しいことを始めるなら、バスに興味がない人でも思わず目にとめるような、注目を集められるものにしたい。そんなときサウナの本場フィンランドで、観光バスにサウナを設置した事例を見つけたんです。

私が特別サウナ好きというわけではないのですが、バスとサウナを組み合わせたときに、日常と非日常が掛け合わせっている感じがとても良いと思いました。外観と内観のギャップも、これを日本で仕掛けたら大きな話題になるのでは感じたのです。
――サバスを制作する上で、苦労したところはありますか?

松原:サウナバスを作れる人がいないので、サウナを作れる建築の専門家と、バスの専門家とお互いに確認しながらの制作となりました。
一応バスなので、動かすためには車両の整備が必要です。壁や床、天井などに整備のために空けておかなければいけないところがあるんですよ。整備の点検口などは変えずに、すのこなどを使って整備の際に取り外せるようにして工夫しました。

こだわったのは内装です。バスの中にきれいな温浴施設をつくるというよりは、お客様がバスに乗ってきて、バスの持つレトロな雰囲気を感じられるようにしています。座席や吊り革など使えるものは再利用し、外観と内観に統一感を持たせることで「バスらしさ」を残したサウナ空間を実現しました。

サウナだけではない、バスの活用事例

――「サバス」以外にも、バスの再活用には取り組まれているのですか?

松原:はい、例えば「託児所バス」という取り組みがあります。商業施設やイベント会場などで、保育士がバスの中でお子様を一時的に預かるというサービスです。送迎バスをベースに、子どもが安心して過ごせるようクッション材を敷き詰めて改装しました。運営は大阪のタクシー会社が担っています。

託児所のような施設を設置するにはコストがかかりますが、「託児所バス」なら柔軟に対応できる。移動できるバスの利点を活かして、サウナのようなエンタメコンテンツだけでなく、社会課題の解決や人助けにつながる用途にも活用できればと考えています

サバスがもたらす体験と反響

――実際に「サバス」を体験された方々の反応はいかがですか?

松原:お客様はやはり「本当にバスなんだ!」と驚かれます。外観はバスなのに、中に入ると本格的なサウナがある。そのギャップを楽しんでいただけるのが嬉しいですね。思っていた以上にバスの中の空間が広いという声も多いですし、バスの特性で車体が少し揺れたりするのも、普通のサウナとは違う面白さとして感じていただいています。

普段は置けないようなアウトレットモールなどのイベントでもサウナを活用いただけるので、新しいお客様との接点を生み出すコンテンツとしても好評です。
――バスは再利用されないとどうなってしまうのですか?

松原:バスはお客様を乗せる以上、壊れる前に新しい車両に入れ替える必要があります。そうなると、多くのバスは廃車となってしまいます。
しかし、サバスのように人を乗せて運行する用途でなければ、もう少し長く使い続けることができます。バスの寿命を延ばすことで廃車コストや資源の無駄を抑え、社会課題の解決にもつながると考えています。

まとめ

廃車を活かしたウェルビーイングなサバス。レトロな車内でサウナが楽しめるなんて非日常でワクワクしますね。もし近くのショッピングモールやイベント会場などに登場したら、ぜひ体験してみてください!