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スイーツなかのさんに聞く、2025夏のごほうびスイーツ8選!【Part5】〜紫野和久傳(むらさきのわくでん)「れんこん菓子 西湖」〜

連日の酷暑に心も体も疲れぎみ……そんな人におすすめしたい夏スイーツをご紹介。1万種類以上ものスイーツを食べ歩いたスイーツ芸人・スイーツなかのさんに、この夏におすすめのとっておきスイーツを聞きました。さらにスイーツなかのさんのパーソナルな部分にせまるミニエッセイもお届けします。

青々とした笹の美しさと味の上品さが融合。〜紫野和久傳「西湖」〜

紫野和久傳「西湖」
紫野和久傳は、京都の老舗料亭・和久傳が手がけるおもたせの専門店です。ブランドを代表するお菓子「れんこん菓子  西湖(せいこ)」は、れんこんから採れる蓮粉(はすこ)というでんぷん質を和三盆糖で練り上げたもの。蓮粉は「椀だね」として用いられていた素材ですが、その食感がわらび餅と似ているため、かつての料理長が「夏場のお菓子を作ってみてもいいかもしれない」と考えたことが誕生のきっかけだったそうです。

料亭で料理の締めくくりとして提供されていたお菓子でしたが、評判を呼び、家庭でも楽しめるよう調合や材料を工夫して現在の形に至りました。

丁寧に味わいたくなる美しさ

紫野和久傳「西湖」
笹の葉の包みを開くと現れるのは、ようかんのような色合いがありながら透明感のあるお菓子。口に入れると、ふわりとした笹の香りとともに、わらび餅のように弾力のある食感、そして和三盆の穏やかな甘みが感じられます。冷蔵庫で冷やすと、より一層もちもちとした食感とつるりとした喉ごしを楽しめます。

「西湖」を包む笹は、以前はちまきのようにひもで包んでいた時期もあったそうですが、繊細な食感を損なわないように工夫を重ね、細く切った竹皮で野菜を束ねるような結び方になったそうです。包み方や結び方にこだわり、今も手作業で1つ1つていねいに包まれている「西湖」。ていねいに味わいたくなるような、シンプルながら美しいたたずまいも魅力です。

「西湖」は、お持たせや贈り物としてはもちろん、自宅に招いたお客様へのお茶菓子としても最適です。とくに目上の方をお迎えする場面では、品のあるおもてなしとして喜ばれるでしょう。通年で販売されており、夏は冷やして、冬は温めていただくことができます。料亭ならではのおもてなしの心が詰まった一品です。

よろスイーツ! スイーツなかののひとりごと

スイーツ芸人として活動し始めるようになって、実際に食べ歩いたり、シェフに取材したりしてコツコツと知識を学んできました。材料のことや、“コンポート”や“コンフィチュール”といった専門用語も最初はまったく知らなかったので、ひとつひとつ調べて覚えて……。自分で作ることもチャレンジしてみたけれど、プロの世界はミリ単位で材料を調整するような精密さが求められる世界。僕には向いていなかったですね。

僕はスイーツが大好きなことはもちろんですが、職人さんの背景やお菓子の歴史など、そのスイーツにまつわる物語も大好きなんです。どうしてそのお菓子が生まれたのか、職人さんがどんな思いで作っているか、そういう情報も含めて発信して、たくさんの人にスイーツの魅力を知ってほしいです。