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ギャンブルでウェルビーイング? 「ラスベガス」に潜入取材!

町田の閑静な住宅街にある「デイサービス・ラスベガス」。ここではギャンブルでウェルビーイングな体験ができるそう。はたしてデイサービスでラスベガスとは? 驚きの体験をお届けします!

閑静な住宅街にラスベガス?

東京都町田市の閑静な住宅街に「ラスベガス」があると聞いて、半信半疑で向かってみました。すると……本当にありました!その名も「デイサービス LAS VEGAS」!
このデイサービス施設、よく見てみるとちょっとおかしなところが。黒塗りのハイヤーが4台ずらりと並び、なんだか怖い雰囲気。
ここ、大丈夫なんでしょうか? 裏カジノかと思いました。
黒塗りのハイヤーに乗って、高齢者が続々と施設の中へ吸い込まれていきます。
この怪しそうな場所とウェルビーイング、どういう関係があるのでしょうか?

入口の雰囲気も重厚感があって、入室をためらうほど。自動ドアが開いた先には、すごい光景が広がっていました。
おじいちゃん、おばあちゃんたちがギャンブルを楽しんでいるのです。

高齢者がデイサービスでギャンブル?

麻雀、パチンコ、そして本格的なカジノテーブルでカードゲームまで。高齢者の方々がデイサービスでギャンブルに興じるなんて?
これって違法では? とドキドキしましたが、ここで使われているお金は架空通貨「ベガス」でした。本物のお金ではなく、ラスベガス施設内だけで使える通貨で、換金や景品に交換することはできません。ということで、違法ではありません!
このデイサービス「ラスベガス」は、その名の通り、ラスベガスのカジノをイメージして作られています。従来のデイサービスとは異なり、様々なギャンブルをレクリエーションとして取り入れているんです。

ギャンブルをレクリエーションとして導入している

利用者は介護認定された方々ばかりで、ディーラーの格好をしたスタッフも介護資格や看護師免許を持っており、入浴など、一般的なデイサービスと同じサポートも提供しています。

麻雀を楽しんでいる女性にお話を聞くと、なんと93歳でした!

「ギャンブルはやる気を引き起こしてくれる」とのこと

麻雀やカードゲームは複雑な読み合いをするので、楽しく遊びながら自然と脳トレになるんですね。

カジノ型デイサービスでウェルビーイング!

そして、このカジノ型デイサービスには、高齢者をウェルビーイングにするための仕掛けがいっぱい。例えば午前と午後の2回、スポーツトレーナー監修のストレッチ体操が行われ、1回参加すると1万ベガスがもらえるんです。体操を2回行えば1日2万ベガスが手に入り、その通貨でカジノを楽しむことができる仕組みです。

Lady Gaga「Born This Way」をバックミュージックに体操を行う

ラスベガスで一番の「ベガス長者」も

稼いだベガスは貯金できます。この町田店には、ラスベガスの中で一番の「ベガス長者」がいるそうです。

その方は木村高明さん、69歳。木村さんの持っているベガスの額はなんと4億6000万!とてつもない金額ですが、ギャンブルの才能で貯めたというより、「皆さんとコミュニケーションをとりながら楽しく遊んでいる」と言います。

ラスベガス利用者1,200人の頂点 木村さん(69)

積み上げたラスベガス貯金は、なんと4億6000万ベガス!

木村さんは17年前に脳梗塞で倒れ、左半身に麻痺が残りましたが、週3回この施設に通ううちに症状が徐々に改善していったそうです。
1日2回の体操で架空通貨が貯まっていくので、体操も真剣に取り組んでいたとのこと。
そのおかげで、麻痺のあった左腕は大きくバンザイできるようになっています。
このラスベガスは、ただ楽しいだけでなく、自分から行きたいと思える工夫がされているんです。「楽しむこと」こそ、カジノ型デイサービスのウェルビーイングポイントですね。

元気の秘訣は自分の意思で楽しむこと

一般的なデイサービスでは、利用者の男女比率は女性7割、男性3割ですが、ここではその比率が逆転しています。
女性たちに話を聞くと、他のデイサービスはあまり活気がなかったとのこと。利用者の男性は「生きている間はやりますよ」と笑顔で話してくれました。
活気ある施設に自分の意思で通い、心から楽しんでいるから、みなさんとってもお元気なんですね。

代表取締役社長の森薫さんによると、普通のデイサービスと同じ値段でサービスを受けられるとのこと。

まとめ

ギャンブルでウェルビーイングと聞いて驚きましたが、ラスベガスには、楽しみながら心も体も元気になる工夫がいっぱい。利用者の皆さんがここに通い続ける理由は、自分の意思で楽しんで通えるから。カジノ型デイサービスを楽しみながらウェルビーイングを感じられる、非常にユニークなデイサービス施設でした。

取材協力:デイサービス LAS VEGAS
文:馬場絵美