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ウェルビーイングな毎日は食事から!料理研究家・川上晶也さんに学ぶ免疫力をサポートする5つの簡単食事術

ウェルビーイングな暮らしに必要不可欠な整った食生活。ですが、忙しい毎日を送っていると、ついつい外食やインスタント食品に頼ってしまいがちになり、食生活が乱れてしまうことも…そこで、今回は、料理研究家・健康料理家で、一般社団法人日本食医食協会理事や料理研究所「おとな食堂®︎」の代表を務める川上晶也さんから、食生活を改善するヒントについてお話を聞きました。そこで得た学びと感想をレポートします。

【登壇者プロフィール】川上晶也さん

川上晶也さん
1972年生まれ。料理研究家、健康料理家、おとな食堂®︎の代表。 母の介護をきっかけに、食事療法の研究を開始。栄養士で料理研究家の神崎夢風に師事。大人の食育をテーマに誰でも手軽に楽しめる健康レシピや食事法を提案し、講演・イベント・健康番組などにも多数出演。 近年は健康食品の開発や飲食店のプロデュースも手掛ける。著書に、『帰宅して10分で作れる糖質制限やせる夜ごはん』(芸文社)、「川上晶也のコロナに負けない健康レシピ手帖」(徳間書店)などがある。

https://www.instagram.com/kwkm156/

免疫における司令塔は腸。腸内環境を整える食材を取り入れて強い体を作ろう

まずは免疫力をサポートする食事術ということで、体のさまざまな器官が、免疫においてどのような働きをしているのか簡単に説明してくれました。胃では胃酸によって食べたものの殺菌が行われることや、免疫細胞の実に7割近くが小腸に集中していることなど、日常的に簡単に”免疫”という言葉を使っているものの、知らないことばかりでした。

そして、免疫における最も大切な器官は腸であると語る川上さん。免疫細胞が集中する小腸と、食物繊維を発酵させて善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれる大腸。この二つは、免疫において司令塔のような役割を果たしてくれると言います。そのため、免疫力を高める=腸活といっても過言ではないそう。
腸活という言葉を聞いたことはあるけれど、どんなことをすればいいの?という方も多いはず。私もそんな一人でしたが、川上さん曰く、腸活とは「善玉菌を増やすこと」。善玉菌の代謝物である短鎖脂肪酸は、免疫細胞のエサになり、免疫力を高めてくれるのだとか。

そのため、善玉菌をすでに含んでいる発酵食品、糖質の吸収をおだやかにしてくれる水溶性の食物繊維、善玉菌の餌になるオリゴ糖の3つを積極的に摂取することが大事だそう。取り入れやすいものとして印象的だったのは「もち麦ご飯」。

普段のお米にもち麦をプラスするだけで、水溶性の食物繊維やビタミンBがたっぷり取れる腸活にぴったりの主食になるのだとか。腸活食材については、この他にも知らないことがたくさんで、さらに調べてみたくなりました。

食生活を整えるには油選びから。外食やインスタント食品に含まれる油は摂りすぎに注意

川上晶也さん
免疫の他にも、食生活を整える理由として、健康的なダイエットを目標に掲げる方も多いのではないでしょうか?そこで、免疫力アップにも、ダイエットにも非常に重要になってくるのが、「油選び」だと川上さんは言います。腸活では善玉菌を増やすことが大事というお話を聞きましたが、悪い油を取ってしまうと、その逆の働きの悪玉菌が増えてしまうと言います。

油選びのポイントとして川上さん曰く、低温圧搾製法の油を選ぶことが重要だそう。代表的な油で言うと、アマニ油やエゴマ油、オリーブオイルなど。また、アマニ油やエゴマ油にはオメガ3という必須脂肪酸が多く含まれており、それらは体内で合成することができないため、食事で摂る必要があるとのこと。オメガ3は熱に弱いので、野菜などにスプーン1杯分ほどかけてあげるのがおすすめだといいます。
また、外食の揚げ物などの摂り過ぎには注意が必要とのこと。お店で揚げ物を作る際には、大きいフライヤーという機械を使いますが、お店にはよるものの、毎回はフライヤーの中の油を入れ替えないことが大半。そのため、酸化した油を摂取してしまうことにつながります。

自宅にある換気扇と同じように、体もデトックスしてあげないと、ドロドロの油が溜まってしまうと川上さん。私も、買い物や外食の際には、油の製法や原料に注目してみようと思いました。

よく笑い、しっかり太陽を浴びよう。バランスの良い食事に加えて大切なこと

免疫力アップのために必要な食材や料理について、ここまで色々と教えてくださった川上さん。こうした食生活を気をつけることはもちろん、良い食事を体がしっかりと吸収してくれる環境づくりも大切だといいます。

そのためには、お酒を飲み過ぎないこと、太陽をしっかりと浴びること、体を冷やさないこと、運動をすること、そして最後に、よく笑うことが大事だそう。お酒を飲みすぎると、コルチゾールというストレスホルモンが長期間分泌されて、免疫細胞が弱ってしまうのだそう。私も、お酒は良く飲むのですが、それが免疫にも関わっていたということを知り、これは気を付けなくては…と感じました。

「いろいろなことをお伝えしましたが、まずはできることから1つずつ始めてみてください」と川上さん。千里の道も一歩から、私も今すぐできるようなことから少しずつ食生活を変えていきたいと思いました。

まとめ

食生活の改善というと、なんだか腰が重くなりがち。ですが、お話を聞いて、ちょっとした食材をプラスしたり、調味料や油を見直してみるなど、知っていれば手軽にできることも数多くあると学ぶことができました。食生活を見直すということは、ひいては生活全体を見直すこと。あまり一度に全てを変えようとせず、楽しむことと気をつけることのバランスを大切にしながら、少しずつ良い習慣を身につけることが大切なのだと思いました。


取材・執筆/和田愛理