日頃から全国各地で指導を続ける表情筋トレーナー・間々田さんに、健康のための習慣やストレス解消法、さらにはプライベートでの過ごし方などを伺いました。
「無駄な力を抜く」ことが健康の鍵
――健康のために気をつけていることはありますか?
間々田さん:最近特に意識しているのは、普段からできるだけ緊張をゆるめることですね。あらゆる場面で力みすぎると、顔にも体にも良くない影響が出るんです。
たとえば猫背や肩こり、首が凝るといった状態は、すべて「緊張し過ぎ」が原因だと思っています。若い頃は体力があったし、一生懸命で気づかなかったんですが、50歳を過ぎてからはその無駄な力が顔のたるみにまで影響すると実感するようになりました。
特にわかりやすいのがスキンケアのとき。急いでいるときなど、顔をゴシゴシ洗って「何でこんなに力が入ってるんだろう」とハッとする瞬間がありませんか? 無駄な力が入っていると、それだけでほうれい線やたるみに繋がりやすいので、意識的に力を抜くことが大事です。
――力を抜くというと、リラックスすればよいのでしょうか?
間々田さん:単にリラックスするのとは少し違います。私が伝えている「コアフェイス」では、顔の中心軸に意識をおいて、立つ・座るようにするんです。姿勢を良くしようとすると、みなさん胸を張りすぎて首や肩に力が入りがちですよね。その力も抜く。首や肩の力を抜きながら背筋を上に引き上げることで自然と体が整い、筋肉も過度に使わなくなる。それだけで顔の印象やコンディションが変わってきます。
――無駄な力を抜くようにして、間々田さんご自身の変化はありましたか?
間々田さん:顔が前よりすっきりしてきましたし、なぜか「足が細くなったね」と言われることもあるんです。おそらく体が整って筋肉の使い方が上手になったんだと思います。
以前は筋トレもやっていたのですが、今振り返ると本当に必要な所に力が入っていなかった気がします。現在は「抜くべきところはきちんと抜いて、使うべきところを意識的に使う」方法を追求中で、それがとても楽しいんですよ。日常動作の中で簡単に意識できるので、健康づくりとしてもおすすめです。
ダンスで気分転換! 音楽に身を任せるストレス解消
――多忙な日々を過ごされていると思いますが、ストレス解消法は?
間々田さん:私はもともとアルゼンチンタンゴのダンサーとして活動していたので、踊ることが一番のストレス解消です。サルサなど他のダンスでも、リズムに集中していると、日常のいろんな雑念が一時的にスッと消えてくれるんです。そういう研究もあるくらい、ダンスは気分転換にはぴったりなんですよ。
――どのくらいの頻度で踊りに行かれるのですか?
間々田さん:最近は忙しくてあまり行けていないのですが、行けるときは月に1回でも2回でも、踊れる場所に足を運ぶようにしています。踊り終わったあとは、日々の「あれをやらなければ、これをやらなければ」という殻が少しずつはがれていく感覚で、本当にスッキリします。
お休みの日は山へ! 自然の中でリセットする
――お休みの日の過ごし方についても教えてください。
間々田さん:実は2〜3年前から、東京と大分を行き来する二拠点生活に挑戦していて、大分の九重や熊本の阿蘇などの自然豊かな山あいで過ごすことが増えました。夜になると、街の光がいっさい届かなくて真っ暗で、最初は「宇宙人にさらわれるかも」と思うほどでした。でも慣れると、月明かりがこんなに明るいのだと気づいたり、風や雨の音をダイレクトに感じられたりして、とても刺激的です。
――そういう環境では、食事や生活はどのようにされているのですか?
間々田さん:山荘のようなところがあるので、そこを拠点にします。あとは道の駅で野菜などを買ったり、川に行けばクレソンが採れたり、春だとワラビや山菜がたくさん見つかったりもします。先日は1週間近く滞在して、毎日のように採れたての野草で3食まかなっていました。ふだんはハンバーガーも大好きなのですが、意外と山菜だけでもバリエーションが豊富だと発見できました。
――自然の中で過ごすと、どんな変化を感じますか?
間々田さん:やはり「整う」感じですね。仕事で頭がいっぱいになっているときも、山の中で深呼吸して月や太陽、木々や風を感じると「あ、私ってこんなに息を止めていたんだな」と気づくことがあります。東京にいてもなるべく呼吸を意識して、リラックスできるようにしています。