前編では、普段の習慣やお茶への愛についてふんだんに語ってくださった大島さん。後編では、さらにお茶の魅力や今後の目標について詳しく聞いていきたいと思います!
ーー大島さんの”推し茶”はなんですか?
皆さんに飲んでほしいという点での推し茶は、セミナーでもお話した茉莉花茶ですね。中国の茉莉花茶はベースが緑茶や白茶、台湾の茉莉花茶は、ベースが烏龍茶なんですが、いずれも人工的な香料で香りをつけるのではなく、本物のジャスミンの花の香りを茶葉に吸わせることで、リラックスさせてくれる素晴らしい香りが生まれています。皆さんもジャスミン茶を購入するときは「茶葉・香料」と書いているものではなく、「茶葉・茉莉花」と書かれているものを選んでほしいですね。
ジャスミンにリラックス効果があるというのはもちろんなんですが、お茶の中でも、最近香りの良さで注目されているお茶に白茶という微発酵茶があります。なので、白茶ベースの茉莉花茶はすごくおすすめですね。加えて、白茶は抗酸化作用がとても高く、美人のお茶としても知られています。そういった意味でも女性には、ぜひ飲んでほしいお茶ですね。
ーー大島さんは普段、1日の中のどのタイミングでお茶を楽しむことが多いですか?
やっぱり15時ぐらいの、いわゆるティータイムと言う時間ですかね。日本では、お茶は食事の時に飲むものというイメージがありますが、中国や台湾では、食事が終わった後などにゆったりとした”お茶の時間”をとる文化なんですよね。友達や家族とゆったりとしたお茶の時間が持てるといいですよね。
でも私は、先ほどもお話したようにお外で楽しんだりすることもありますし、お仕事をしながら飲むこともあります。そういうときは、ウーロンマグに茶葉を入れて、お湯を入れて、お湯を継ぎ足しつつ雑に飲んだりすることもあります(笑)本当にシチュエーションごとに、色々な形で楽しめるのがお茶の魅力でもありますね。
ーー今後、挑戦したいことを教えてください。
去年から、兵庫県の補助金を頂いて、日本の茶葉を使った白茶作りに取り組んでいます。兵庫県の丹波篠山は、1200年前から伝わるお茶の里なんですが、そこの在来種を使った白茶を作ろうと思っています。
私の中国茶の先生にも間に入ってもらって、福建省の白茶農家とテレビ電話をつないで、白茶の作り方とか、実際に遠隔で茶畑を見てもらったりしながら、プロジェクトを進めているんです。
白茶って、作る上での工程自体はすごく少ないんですよ。簡単に言うと乾燥させるだけなので。ただ、乾燥させるだけだからこそ、どこまで乾燥させるかなどの加減が結構難しくて、茶農家の方と試行錯誤が続いています。とりあえずは、その白茶を完成させるということが当面の目標です。
現状、白茶っていうのはほぼ中国産しかないので、人によっては国産の方が安心って言う人もいると思うんです。国産のものなら、そういう方にも、白茶を楽しんでもらえるので、もっと白茶が広まるきっかけになるんじゃないかなと。今後は、安定した生産のもと、白茶を国内で広く販売できるようになったらいいなと思っています。
ーー生産まで関わっているなんて、驚きです。大島さんのお茶への熱い思いが終始伝わってきました。ウェルビーイングな暮らしのために、私もティータイムを取ってみようと思います。大島さん、ありがとうございました!
大島 榎奈
7月19日生まれ、大阪府出身。長年報道番組に携わってきた経験から政治・経済・国際情勢など内容を理解して伝えられることをモットーとし、夕方ニュースやワイドショーなどのナレーションを担当してきた。現在のレギュラー番組は、関西テレビ『お笑いワイドショー マルコポロリ』、よみうりテレビ『かんさい情報ネットten.』。その他、番組やCMナレーションやなど多数。
出石 一叶
https://izushi-ichika.jp/tea/
重要伝統的建造物群保存地区である出石の中心街で「特定物件」指定を受けた築約150年の明治期の町屋をリノベーション。数多あるお茶の中から、季節やその時の気分によってお茶を選ぶ。一叶では、そんなお茶の愉しみ方をご提案しています。
取材・執筆/和田愛理