ウェルビーイングな暮らしには息抜きの時間も必要不可欠。忙しい毎日に追われて、ゆっくりお茶やコーヒーを飲む時間が取れていない!そんな方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ナレーターとして働く傍ら、兵庫県豊岡市出石町で町屋をリノベーションしたカフェ「出石一叶」のオーナーも務める大島 榎奈さんから、生活を豊かにする中国茶&台湾茶の魅力についてお話を聞きました。そこで得た学びと感想をレポートします。
【登壇者プロフィール】大島 榎奈さん
7月19日生まれ、大阪府出身。長年報道番組に携わってきた経験から政治・経済・国際情勢など内容を理解して伝えられることをモットーとし、夕方ニュースやワイドショーなどのナレーションを担当。現在のレギュラー番組は、関西テレビ『お笑いワイドショー マルコポロリ』、よみうりテレビ『かんさい情報ネットten.』。その他、番組やCMナレーションやなど多数。重要伝統的建造物群保存地区である出石の中心街で「特定物件」指定を受けた築約150年の明治期の町屋をリノベーションしたカフェ「出石一叶」のオーナーも務める。
実は結構違う、日本と中国・台湾におけるお茶事情
ナレーターとして活躍し、関西を中心に活動している大島榎奈さん。中国茶や台湾茶にハマるきっかけは、仕事中にカフェインの多いコーヒーなどの飲み物を飲むと調子が悪くなるのではないかと気がついたことだといいます。
日本では飲食店などで無料で提供されるお茶ですが、中国・台湾ではお茶の扱いが少し違うそう。中国では、国の後押しもありお茶のブランド化が進められていて、省ごとに全く違うお茶が生産されており、100g数万円もする茶葉もあるなどちょっと特別な存在のようです。
また、私たちは中国茶というとなんとなく、烏龍茶やプーアル茶などのお茶を思い浮かべますが、本国で最も多く飲まれているのは緑茶、次いで紅茶だそう。これまで慣れ親しんできたお茶ですが、知っているようで知らないことがたくさんあるのだなと勉強になりました。
中国や台湾におけるお茶は漢方のようなもの。自分のニーズに合った作用を持つお茶を選ぼう
「今日は手軽な淹れ方で皆さんに実際のお茶を楽しんでいただこうと思います」と大島さん。参加者に様々な種類のお茶がドリンクボトルで提供され、それぞれのお茶の特徴や効能について説明がありました。
各座席には紙コップも用意されており、ランダムで配られたお茶を隣の方と飲み比べる時間も。参加者がドリンクボトルを開けると、お茶のいい香りが会場にふわっと広がりました。みんなで和気あいあいとお茶を飲み比べる様子はさながらティータイムのよう。
印象的だったのは、抗酸化作用が高く、「美人のお茶」とも呼ばれる白茶や、生産量が少なく希少な黄茶など。ジャスミン茶にも、本物のジャスミンの花で香りづけしたものと香料を使用したものがあるため、なるべく裏のラベルを見て香料が使用されていないものを選ぶと良いとアドバイスがありました。
色や形もさまざまであるように、それぞれのお茶によって、持つ作用も違うそう。自分の体調や気分などに合わせて好きなお茶を選ぶことで、体の調子を整える漢方のような使い方ができるのではないか、と大島さん。これまで聞いたことのないようなお茶が何種類もあり、お茶とひとことに言っても、たくさんの種類があり、奥が深い世界なのだな…と驚きの連続でした。
お茶を淹れるのに大切なのは作法ではなく、自分が美味しく飲めるかどうか。楽しみ方は十人十色
「今日はドリンクボトルに茶葉を入れて、お湯を入れるだけの簡易的な方法でお茶を入れていますが、少しお茶を習ったことのある方なら、茶器についても知りたいのではないかと思います」と大島さん。お茶の種類によって、適した茶器の選び方があるといいます。
お茶の香りを楽しみたいという時は、香りを吸わない磁気の茶器がいいとのこと。なんでも、陶器の茶器には細かい穴があって、お茶の香りが吸われてしまうそう。逆に、アツアツで飲みたい時には、保温性の高い陶器の茶器が適しているなど、自分のニーズによっても使い分けると良いそうです。茶葉の形が綺麗なものはガラスの茶器だと目でも楽しめる、などカフェのオーナーをされている大島さんならではの視点のアドバイスもありました。
最後に、「茶器の選び方をはじめ、お茶にはお湯の注ぎ方や温度など、色々と細かい淹れ方のルールがあります。でも、私は作法とかしきたりだけでなく、いかにお茶を美味しく、楽しく飲むかが大切だと考えています。今日をきっかけにもっと細かく知りたいという方は教室に行ってみてもいいと思います」と微笑む大島さん。
大島さん自身も、持ち運び可能な茶器とお湯を公園や低山に持っていき、ピクニック的に外でお茶を楽しむこともあるそう。お茶は奥が深いものであると同時に、色々な楽しみ方のできるおもしろいものだと感じました。
まとめ
習いに行くとしたらなんだかハードルが高そう…と思っていた中国茶や台湾茶の世界。しかし、実際に話を聞いてみると、その時の気候や体調、またどんなシチュエーションで楽しみたいかによって様々な楽しみ方ができ、手軽に毎日の気分転換や体調管理に取り入れることができるものなのだと学ぶことができました。楽しみ方は十人十色。私も自分の好みや体調に合わせて、お茶や茶器を選んでみたら、毎日の楽しみがひとつ増えるのではないかと思います。
取材・執筆/和田愛理