連日の酷暑に心も体も疲れぎみ……そんな人におすすめしたい夏スイーツをご紹介。1万種類以上ものスイーツを食べ歩いたスイーツ芸人・スイーツなかのさんに、この夏におすすめのとっておきスイーツを聞きました。さらにスイーツなかのさんのパーソナルな部分にせまるミニエッセイもお届けします。
江戸時代から続く甘酒を使ったかき氷〜天野屋「氷甘酒」〜
今回ご紹介する「氷甘酒」を提供しているのは、東京・神田明神の大鳥居横に位置する天野屋さん。創業1846年、江戸時代後期から続いている老舗で、神田明神にお参りすると必ず立ち寄るという人も多いそう。「氷甘酒」は、天野屋の名物である甘酒を使った夏限定のかき氷です。
地下室で育まれる伝統の麹
天野屋の最大の特徴は、地下6メートルにある「土室(むろ)」と呼ばれる麹室で、甘酒の原料である麹を自家製で作っていること。
この地域一帯の地質が「関東ローム層」で、地盤が比較的安定して保湿性が高いことから、麹づくりに適していた環境だったため、江戸時代後期には100軒以上もの糀屋が軒を連ねていたそうです。味噌などの調味料に使われる麹は、江戸の食文化を支える重要な存在でした。現在では、天野屋だけがその伝統を守り続けており、「土室」は千代田区の指定有形文化財でもある貴重な施設。現在7代目になるまで伝統を守りながら、今なお現役で使われているというのは驚きです。
体に優しい素材とシンプルさが魅力
名物である甘酒は、米と糀だけを材料に砂糖や添加物はいっさい使用せず、昔ながらの製法で作られています。甘酒は冬のものだと思われがちですが、江戸時代には夏バテ防止の健康飲料として重宝され、夏の季語ともされていたそうです。
レトロな趣のある天野屋の喫茶部で提供される夏限定メニュー「氷甘酒」。天野屋の自家製甘酒で満たされた氷の上に、シャキシャキの氷がたっぷりと盛られています。
最近話題のかき氷というと、見た目も華やかなものが多い中で、「氷甘酒」の飾らないシンプルさがなんとも新鮮です。初めて見たとき、甘酒とかき氷の組み合わせに「こんなかき氷があるんだ!」と衝撃を受けました。一口ほおばると、砂糖を一切使わない麹の穏やかな甘みが、冷たい氷とあわさって体にやさしく染み渡り、夏の暑さを忘れられるようです。
健康志向の贈り物にも最適
「氷甘酒」は東京でしか味わえませんが、天野屋の甘酒は店頭やオンラインショップでパックで販売されています。砂糖を使っていないため、糖質制限をしている人や白砂糖を避けたい人への贈り物にも喜ばれるはず。冷蔵庫に入れておけば好きなタイミングで飲めるのも便利。子どもから年配の方まで、家族みんなで楽しめます。
よろスイーツ! スイーツなかののひとりごと
僕のトレードマークであるこのパンケーキハット。8枚重ねのパンケーキにたくさんのフルーツとクリームがあしらわれたデザインで、実はオーダーメイドで15万円した1点モノです。フルーツのリアルさにこだわって作ってもらったので、実物を見ると「おいしそう!」とよく言われます。ただインパクトがあるぶんちょっと重くて、長時間の番組収録だとちょっとずつずり落ちてくるんですよ(笑) もしテレビで僕を見かけたら、パンケーキハットのずり落ち具合をチェックしてみてください!
天野屋
東京都千代田区外神田2-18-15
営業時間:喫茶10:00~16:00、販売10:00~17:00
http://www.amanoya.jp/
氷甘酒は4月末から10月初旬まで販売。