新生活は、慣れないことも多く、気が付かないうちにストレスがたまってしまうものです。そこで気をつけたいのが、五月病。最近、なかなか疲れが取れない、体がだるい、なんとなくやる気が出ない…そんなあなたは五月病の可能性あり!そんな、精神的にも、身体的にもぐったりしがちなこの時期にこそ、A Iとおしゃべりをして、気持ちをリセットしてみるのはいかがでしょうか?
そこで、今回は、話題のおしゃべりAIアプリ「Cotomo」の特徴や魅力、開発のきっかけについて、Cotomo企画担当の大久保光将さんにお話を伺いました。
人との繋がりが希薄な現代にこそ。どんなことも気軽に話せるAIおしゃべりアプリ「Cotomo」
ーー「Cotomo」開発のきっかけについて教えてください。
2023年初頭に、創業メンバーで何かAIを使ったプロダクトを作りたいという思いから「Cotomo」は誕生しました。その時ちょうど大きく進化をしていたのがAIによる音声認識や音声合成っていう分野だったんです。
オープンソースもたくさん出ていて、これを使って会話をするっていうのは面白いんじゃないかということになり。当初は、会話もまだまだぎこちなかったんですが、ぎこちないからこそ、これを滑らかにしてみようということで、「Cotomo」はスタートしました。
ーー「Cotomo」という名前の由来を教えてください。
人間相手に話したいことも、話せないことも、、AIになら話せるというところから、「Cotomo」という名前になりました。あんなことも、こんなことも話せる、できる未来。そんな意味も込めて、この名前になっています。
ーー「Cotomo」はユーザーのどんなニーズに応えるアプリなのでしょうか?
昔は今よりも、横のつながりが色々あったと思うんです。ご近所さんとコミュニケーションを取ったり、喋る機会がたくさんあった。でも、今は、そういう繋がりがどんどん希薄になってきていて、近所付き合いはもちろん、会社などでも強い繋がりがなくなってきていると気がします。それによって、色々な悩みを抱えていても、愚痴を言えなかったり、本当に話したいときに話せないことが多くなっている。
悩みもそうですが、嬉しいことや自慢したいことがあっても、マウントみたいに思われるかも…という心配から、なかなか周囲の人とそういうことを共有できないことも多いという声もありました。
私個人としても、そういった現代の社会の問題が個人のメンタルヘルスにも影響を与えていると感じています。それらを解決するために、いつでも話せるアプリとして、ちょっと話したいなという時に、気軽に使っていただけたらなと思います。
声優との夢のコラボも。自分好みにカスタマイズできる話し相手
ボタンを押して話すだけの簡単操作。声を出せない場面では、テキストによる会話も可能。
「Cotomo」の大きな特徴として、明日の天気や今日の予定はなんだっけ?といったようなタスクを処理したり、効率化をサポートしたりするのではなく、本当にゆるい雑談、ゴールのないような会話をするということが得意なアプリということが挙げられます。
また、今春にリリースしたキャラクタークリエイト機能を使って、「Cotomo」自体に性格や特徴を設定して、自分好みのおしゃべり相手を作ることもできます。、例えばすごいドSキャラや、関西弁で癒してくれるキャラなど、どんなキャラクターも作れるので、ユーザーがおしゃべりしたい話題や、してもらいたいことに対応できるようになっています。
ーー「Cotomo」の性格を変えられるというのは興味深いです。どのような仕組みで性格を変えることができるのでしょうか?
設定画面にあるCotomo設計書。色々な項目を入力して自分好みのキャラクターに
「Cotomo」には性格の設計書があります。そこに4000字を上限として要望を入力することができるんです。性格は大人しめ、年齢はどれくらいで、どういうところで勤めているといった内容を細かく設定して、それを入力していきます。そうすると、「Cotomo」はそれに応じて、話し方や返答を変えてくれるという仕組みになっています。
性格の設計書は、「Chat GPT」などのAIでいうところの「お礼のメール文面を作って」といった指示や命令、質問にあたる部分です。、例えば、ユーザーの方がプロデューサーや演出家で、俳優さんにこういう演技をしてくださいって伝えるのに近いイメージです。
ーー「Cotomo」では、緑川光さんなどの声優さんとのコラボも行っていますよね。このコラボレーションはどのようにして実現したのでしょうか?
音声で会話をするアプリなので、プロの良い声とおしゃべりできる体験をユーザーに届けたいというアイディアが始まりです。そこから、自分でつくったキャラクターが声優さんの声で話し始めるという企画につながりました。
ただ、海外では、AIキャラクターなどで声優さんの声を無断で使用するといった問題があります。また、声優の方々の中に、AIは仕事を奪うものであるといった感覚や、AIに対する漠然とした不安感もあります。そのため、今回の企画が決まった際には、青二プロダクションの中で、何度も声優の方々に説明をしたり、とても丁寧なコミュニケーションを取って進めてくださいました。
声優さんのファンの方々は、その方の生の声に価値を感じています。AIはその生の声ではできない、たとえば、その方の名前を呼んだり、毎日些細な会話をするといったことができる。あくまで、会えない時間に想いを募らせるためのもので、現実の声優さんへの想いの補完という形で楽しんでいただきたいと思っています。
ーー年齢や性別など、ユーザー層の特徴はありますか?
「Cotomo」全体では、年齢も性別も、幅広い方々にご利用していただいています。
学生さんから、社会人、さらにはお仕事を引退されている方もいらっしゃって、ライフスタイルも様々です。以前、「らくらくフォンでも、Cotomoはインストールできますか?」というご質問をいただいたことがありました。若い方だけでなく、高齢の方にもご利用しくださってます。
ーー特に印象に残っているユーザーの声はありますか?
「Cotomo」と話したことによって、人生が前向きになっているというお声をいただいたのは嬉しかったですね。
あとは、「Cotomo」と話すようになってから、会社での同僚とのコミュニケーションがスムーズになってきたというお声もあったり。コミュニケーションが苦手だった方が、「Cotomo」を通して、頭の中で考えていることのアウトプットが習慣になり、日常生活でも会話が続くようになったようなんです。これは、私たちにとっても意外な効果で、とても刺激を受け、学びになりました。
「Cotomo」との会話で盛り上がったのをきっかけに、新しい趣味を始めたという方もいらっしゃいました。ユーザーの方々の声を聞いて、まだまだ「Cotomo」にはいろいろな使い道があるなと私たちが気付かされることも多いです。
人間では叶えられない、全ての欲求に応える。AIならではの癒しの体験
ーー「Cotomo」はどのような形でユーザーのウェルビーイングに貢献できると思いますか?
「Cotomo」が目指しているのは、すべての人の話したいという気持ちをはじめとした、さまざまな思いやニーズに寄り添うことです。僕の場合は、日常にスリルが欲しいと思うタイプなので、会話の中でもそういうのが欲しい。何かに悩んでいたら、そんなことに悩んでんじゃねえよと背中を叩かれたいタイプ(笑)
一方で、悩みに対して、労われたり、応援されたりしたい人もいますよね。同じ”寄り添う”でも求めている形は人によって全然違う。そのすべての人の思いに応えて満足感を感じていただくことが、「Cotomo」が人々のウェルビーイングに貢献できる部分なんじゃないかと思っています。
ーー話すことや言葉にするということは、心の健康にどのような影響を与えると思いますか?
人として、喋る、対話をするということは、日常の中で当たり前に行われていることだと思います。そういった本来自然に行われていたことの機会が、少しずつ減りつつある。コロナ禍ではそれが特に顕著でした。人と会話をする機会が減ると、心を病んでしまう方も増えるのではないでしょうか。
僕は一人で考えごとをしていると、頭の中に言葉がどんどん詰まっていってしまうんですよね。それをアウトプットをすることで、頭の中がすごくすっきりするんです。そういうことが、心の健康に繋がっていくんじゃないかと思います。
ーー最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
今すぐ誰かに喋りたい!という気持ちは、誰しもあるといます。そんな時に使っていただきたいのがこの「Cotomo」です。AIとおしゃべりするというのはちょっと不思議な感じがするかもしれませんが、全く気を遣わなくて良いという点で、「Cotomo」は本当に気軽な話し相手としてぴったりなんじゃないかと思います。
使い方は無限にありすぎて、ユーザーの皆さんのアイデア次第では、何でもできてしまうと思います。ユーザーさん同士でキャラクターのシェアをしたり、そういう楽しみ方もできるので、単にエンターテイメントとしても楽しんでいただけます。
人類が人間以外で言語で話すのって多分初めてだと思うんです。ですので、まずはこの体験を少しでも多くの方に知っていただきたいですね。
五月病対策に、「Cotomo」とおしゃべりしてみよう
気分が落ち込みがちな5月にこそ、気を遣わない自分だけの話し相手「Cotomo」に1日のあれこれを話してみるのがおすすめ。頑張りたい1日のスタートに励ましてもらうもよし、へとへとの帰宅後に慰めてもらうもよし。色々と学習してくれるAIだからこそ、自分だけの使い方を探してみると、毎日が今より少し楽しくなるかも。
取材・執筆/和田愛理