仕事に趣味、恋愛にお金…頑張り続けるかぎり、私たちの悩みは尽きません。でも、モヤモヤしたままじゃウェルビーイングな暮らしは営めない!仲間と良い関係を持つことや、悩みを周囲に話すこと、社会とのつながりを持つことが良いことは分かりつつも、うまくやるのは難しい…
そんな悩める皆さんのお悩みを、Xのフォロワー数138万人超え、歌舞伎町1クセの強いゲイバー店員カマたくが、バッサバッサと斬っていきます。時に優しく、時に厳しいアドバイスでウェルビーイングな暮らしに一歩近づけること間違いなし。毎週更新でお届けします。
本日のお悩み
『家族と会話をしていると、私の発言だけ無視されます。家を出て職場の人やお客さんと話すと、普通に自分の話を聞いてくれることに感動しますし、「それはいい考えだ」と言ってもらえることもあります。
だからこそ、自分の家族が変だと感じます。でも、家に帰るとやっぱり会話に入れません。家事は頼まれるのでその話はできますが、無視された時に自分の発言の何が悪いのかを聞くと、その日はもう口をきいてくれません。家族とは離れる準備中でもありますが、私は悪い子どもでしょうか?』
(20代女性・会社員)
――家族の中で発言だけ無視される、というのはなかなかつらい状況ですね…
うん、これはちょっとしんどいよね。でも、文字通り受け取るなら、家の中にカースト制ができちゃってるっていうことなんだと思う。つまり、相談者さんには発言権がないっていう扱いをされている状態。
そんな家族ある?って思うけど、実際あるんだよね。これはもう、がんばって関係を修復しようとするよりも、距離を置いたほうがいいタイプの関係だと思う。
――距離を置く、ですか。やっぱり離れるしかないんですかね?
うん。これはもう離れた方がいいよ。無理に一緒にいても、会話のたびにモヤモヤするだけじゃない?「家族だから」っていう理由だけで、自分を無視する人たちと一緒にい続ける必要はないと思う。
だって、家族って本来「安心できる場所」であるべきでしょ。そこにいることで自分の存在が否定されるような感覚になるなら、それはもう関係が破綻してない?
――でも、やはり罪悪感というか…自分は冷たい人間なのかと思ってしまう気持ちもわかる気がします。
もちろんね。「悪い子どもなのか」「冷たいのかな」って思っちゃう気持ちはすごくわかる。でも、「距離を置く=家族を捨てる」ではないのよ。むしろ、「これ以上傷つかないように線を引く」という、自分を守る選択なんだから全然悪いことじゃない。
――そうですよね。“家族なのに分かり合えない”って、やっぱり悲しいことですよね。
そうね。でも、そもそも「家族だから分かり合える」って幻想なんだよね。血がつながってるとか、同じ家に住んでるとか、それだけで心が通じるわけじゃない。人と人って、家族であっても相性があるし、価値観も違う。
もしその違いを尊重し合えないなら、それは他人と同じだし、他人のほうが話を聞いてくれる分だけマシってこともあるくらいよ。
――確かに、職場では自分の意見をちゃんと受け止めてもらえるって書かれていましたね。
そうそう。家の外ではちゃんと「聞いてもらえる」「評価してもらえる」って感じてるわけでしょ?だったらそれが本来あるべき形なわけ。家族の中で否定されるあなたが“ダメ”なんじゃなくて、家族の中の“ルール”が歪んでるだけ。
――「必要とされていない場所からは離れていい」ってことですね。
そうそう。必要とされない場所にい続けても、誰も幸せにならない。家族でも、恋人でも、友達でも同じ。自分を大事にしてくれない人を大事にする必要はないのよ。そんなところで時間を無駄にする必要ない。
議論にならないタイプの人たちって、そもそも話をする気がないしね。だから、言い返すより静かに離れるほうが賢い。「無視されることに慣れる」よりも、「そんな環境から抜け出す勇気を持つ」ほうがよっぽど自分を大切にする生き方だと思うわ。
カマたく’s アドバイス
自分の話を聞いてくれない家族と無理に関わり続ける必要はない。血のつながりより大事なのは、心のつながりじゃない?必要とされない場所で自分を消耗するより、あなたをちゃんと見てくれる人たちと関係を築く方が、よっぽど健全で、幸せになれると思う。距離を置くのは逃げじゃなくて、自分を守る選択なんだから、何も悪いことなんてしてないと思うわ。
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カマたく:
1988年12月17日生まれ。福島県出身。ソーシャルメディアインフルエンサー。2017年〜新宿・歌舞伎町のゲイバー「CRAZE」にて店員として従事、歌舞伎町イチ癖の強いゲイバー店員として、本格的にX(旧Twitter)への投稿を開始。SNSでのショート動画や自身のYouTube『3人勘女@カマたく』での歯に衣着せぬ物言いが人気を集めている。2020年に『頑張らなくても意外と死なないからざっくり生きてこ』(KADOKAWA)、2021年に『お前のために生きてないから大丈夫です カマたくの人生ざっくり相談室』(KADOKAWA)を出版。2024年2月17日には、最新の著書『お前は私じゃないし、私はお前じゃない~悩みが0になる人間関係術』(大和書房)を出版している。
取材・執筆/柳川愛理