仕事に趣味、恋愛にお金…頑張り続けるかぎり、私たちの悩みは尽きません。でも、モヤモヤしたままじゃウェルビーイングな暮らしは営めない!仲間と良い関係を持つことや、悩みを周囲に話すこと、社会とのつながりを持つことが良いことは分かりつつも、うまくやるのは難しい…
そんな悩める皆さんのお悩みを、Xのフォロワー数138万人超え、歌舞伎町1クセの強いゲイバー店員カマたくが、バッサバッサと斬っていきます。時に優しく、時に厳しいアドバイスでウェルビーイングな暮らしに一歩近づけること間違いなし。毎週更新でお届けします。
本日のお悩み
『実家の母が60代後半に差しかかり、最近急に「私が倒れた時には全部あんたに頼むから」と言うようになりました。
私には兄弟もいますが、なぜか私だけが将来の介護担当として見られていて、家はどうするか、財産はこう分けるからなど、具体的な話までされ始めています。
親を大切にしたい気持ちもありますが、自分の人生もあり、「なんで私だけ?」と思ってしまう自分も苦しいです。どこからどこまで受け止めればいいのでしょうか。』
(30代女性:会社員)
ーーこれは難しいお悩みですね。
確かに、どうなんだろうね。
でも、ご兄弟がいるなら、「兄弟としてどうするか」を家族間で話し合って決めておけばいいんじゃないの?仲がいいのか悪いのかは分からないけど。こういうのって難しいよね。
ーー兄弟がいても結構そこを話し合うのって難しいですよね。
うんうん。でも、相談者さんの場合は、親御さんが元気なうちにこうやって話してくれるっていうのは、まだマシというか、よくできた親御さんだなと思うよ。
普通、そういう話ってされないまま、いざって時がくるからね。「認知症になっちゃいました」「病気になっちゃいました」とか、急に来るものだから。心の準備ができないまま始まるのが普通よ?
ーー確かに…心の準備の時間って大切ですもんね。
そうなのよ。でも、今から考えても、親御さんが実際どうなるか、自分がどこからどこまでやるかって、ぶっちゃけその時にならないと分からないものよ。
前提として、何あった時に自分で介護するのは相当大変だと思っておいた方がいい。今のうちに何ができるかって、勉強をしておくことしかできないと思うんだよね。
ーー勉強、ですか。
そう。親が倒れたり、認知症になったり、病気になった時にどうすればいいのか、どんな制度を利用したらいいのかっていうのを、ちょっとずつ勉強する。今は、介護の本や終活の本とかももいっぱいあるでしょ?
結局、不安って知らないから不安なんだよね。
ーー確かに、介護保険とか、認定制度とか…知らない人多いですよね。
多いと思う。だから、そういう時にどう動けばいいかを知っていれば、不安ってある程度は解消される。
もちろん、なるようにしかならないっていうのもあるよ。でも最低限、スムーズに動くためどういう選択肢があるのかは学んでおいた方がいい。
ーー準備があるだけで気持ちが違いますもんね。
そうなのよ。しかも、勉強して「これ一人じゃ無理だな」ってなったら、兄弟に「ここお願い」って分業しようっていうのも考えられるじゃん。
そう思うと、まともなうちにこういう話をするって、本当は文化としてあっていいと思うけどね。
ーー人生会議ですね。
結局さ、病気になるのか、認知症になるのか、何もなくコロッといくのか分かんない。だから、勉強だけしておけばいいのよ。詳しくやり込まなくても本一冊読むだけでだいぶ変わると思う。
「どこまで受け止めるか」を考えるより、「介護ってどこまでやるものなのか」を知ることからがスタートじゃない?
ーーなるほど…。
私が介護に関わって盲点だったのが、家の話。
うちの祖母は一人暮らしをしてたから、施設に入居するってなったときに、住所変更とか火災保険とかやらなきゃいけなくて。火災保険って、誰かが住んでないと入れないって知ってた?
ーーええ、知りませんでした…!
そうなの。だから、住所変更して「家に誰もいません」ってなると、火災保険がおりなかったりする。「誰も住まない家をどうしよう」みたいな、めんどくさい現実が出てくるわけね。
ーーめっちゃリアルですね。
まあ勉強してても盲点はあるからさ。でも最低限、「これはどこに行けばいい」「誰に相談すればいい」って分かってるだけで違う。
そこが分からないと、アドバイスもらいに行く場所が分からないのが一番大変よ。
ーー確かに…経験者は語る、ですね。実際、難しいこともたくさんありますが、気負い過ぎず、今できる準備をするというのは介護に限らず、ウェルビーイングな未来へのポイントかもしれません。今週も、ありがとうございました!
カマたく’s アドバイス
親が元気なうちに話してくれるのは、実はありがたいこと。結局親がどうなるかなんて、今は分からない。だから、どこまで背負うかを考えるより先に、制度や介護について少し勉強することで、不安を減らしておくのがいいんじゃないかしら?今すぐに親御さんの介護が必要な状態じゃないんだから、ゆっくり準備すればいいのよ。
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カマたく:
1988年12月17日生まれ。福島県出身。ソーシャルメディアインフルエンサー。2017年〜新宿・歌舞伎町のゲイバー「CRAZE」にて店員として従事、歌舞伎町イチ癖の強いゲイバー店員として、本格的にX(旧Twitter)への投稿を開始。SNSでのショート動画や自身のYouTube『3人勘女@カマたく』での歯に衣着せぬ物言いが人気を集めている。2020年に『頑張らなくても意外と死なないからざっくり生きてこ』(KADOKAWA)、2021年に『お前のために生きてないから大丈夫です カマたくの人生ざっくり相談室』(KADOKAWA)を出版。2024年2月17日には、最新の著書『お前は私じゃないし、私はお前じゃない~悩みが0になる人間関係術』(大和書房)を出版している。
取材・執筆/柳川愛理