「わたしのウェルチル」では、素敵な人生を送る方々にご自身のウェルビーイング&チルな時間をお聞きします。今回は『未恋~かくれぼっちたち~』主演の伊藤健太郎さんにお話を伺いました。
伊藤さんが演じる主人公の高坂健斗は、コミック誌で編集者として働く仕事のデキるイケメン。自宅に仕事を持ち込むなど20代にしては珍しい仕事人間の健斗ですが、小説家の夢をあきらめた過去があり、本当の気持ちから逃げている「かくれぼっち」な主人公です。
健斗の揺れ動く心を描いたドラマの魅力とは
――高坂健斗はどんなキャラクターですか?演じていて印象的だった部分を教えてください。
伊藤:ひねくれたやつだなと思います。例えば何か作業をしていて「ありがとう」と言われたときに、僕だったら素直に受け取るのですが、健斗はなぜか「ありがとうって言われて嬉しい」と返すんです。何でそんなことを言うんだろうと最初は共感できなかったんですけど、物語が進むうちに健斗の相手の言動の裏を深読みしすぎるところとか、それがどのように変わっていくのかがわかると思います。
「未恋 かくれぼっちたち」2025年1月9日(木)スタート毎週木曜深夜0:25~
※初回放送日時 1月9日(木)深夜0:40~1:10
――共感できないキャラクターを演じるときはどのように役作りをされていますか?
伊藤:健斗のキャラクターには共感はできない部分が多いのですが、理解はできるんですよね。物語を最後まで読んでみると、健斗がどうしてこういう考え方になり、どういう生き方を選んだのかが見えてきます。自分に置き換えると共感はできなくても、そのキャラクターのパーソナリティーや背景を理解して、そこに対してアプローチするための“ガソリン”にすることを意識しています。
――資料に「好きじゃないことを仕事に選んだ。その方が上手くいくんだよ」と書かれていますが、伊藤さん自身はこの考え方についてどう思いますか?
伊藤:そこが本当に僕には理解が難しい部分です。人それぞれ性格や考え方が違うので一概には言えないと思いますが、僕自身としてはやはり好きなことを仕事にする方が良いと思います。もちろん好きなことを仕事にするのは難しい場合もありますけど、でも「好き」の割合が多いほど仕事が楽しく感じられるのではないかなと、僕は思います。
――Z世代の群像劇ということで「誰かと居るのに、誰かと触れているのに、孤独を感じる」というキャッチコピーが、今の世の中をよく表していると感じました。この点について伊藤さんはどのようにお考えですか?
伊藤:とても難しいテーマだと思います。SNSが普及している時代で、もちろんプラスに作用している部分もあるんですけど、一方でネット上では繋がっているけれど家では一人ぼっちだったり、直接会って話すことに対するコンプレックスを持ってしまう人もいるようです。
僕は大事なことを伝えたいときは直接会って話したいタイプですが、どうしてもSNSやネットに頼ってしまう人が多いのが現状だと思います。そういう方たちがこのドラマを見たときに「自分だけじゃないんだな」と少しでも気持ちが救われたりすることがあれば、このドラマが生まれた意義があるのかなと感じます。
――今回のドラマでは「孤独」や「かくれぼっち」というテーマが出てきますが、伊藤さんご自身が私生活や仕事中に孤独を感じる瞬間はありますか?
伊藤:正直あまり孤独を感じることはありません。ただ、華やかな仕事を終えて日常に戻った瞬間に「さっきまであんなにいろんな人と話していたのに、今は1人でビールを飲んでいるな」と思うことはあります。それを孤独と呼ぶのかはわかりませんが、なんか静かな時間だなと感じることはあります。そういう時間も好きで、リフレッシュにもなるし周りを気にせず過ごせる貴重なひとときですね。
趣味のサーフィンでリラックス
――伊藤さんが日々の生活で「楽しい!」と思える時間はいつですか?
伊藤:趣味でサーフィンをしているんですけど、海に行っている時間は本当に楽しくてリラックスできます。一度海に入ると3~4時間は出ません。その間はスマホも触らないので、いわゆるデジタルデトックスのような時間にもなります。海で友達と会う時間もすごく楽しいですね。
――よく行くサーフスポットはありますか?
伊藤:いろいろな場所に行きますが、基本的には決まった場所に行くことが多いです。以前お仕事でご一緒した眞木蔵人さんと一緒に海に入ることもあります。眞木さんとの時間は刺激をもらえて楽しいですね。
――サーフィンを始めたきっかけは何ですか?
伊藤:18歳くらいの頃、先輩に誘われて初めてサーフィンをしました。騙されて何もわからないまま海に連れて行かれて、ウェットスーツとボードだけ渡されて海に入ったんですけど、最初は何もできませんでした。沖に出ることもできずにただパドリング(サーフボードに腹ばいになって両手で水を漕ぐ動作)するだけで1日が終わって。その時は面白さがわかりませんでしたが、なんか悔しくて続けるうちに夢中になりました。
他のスポーツは割とすぐにこなせることが多いのですが、サーフィンだけはなかなか上手くならなくて、そこが逆にハマるきっかけになったと思います。
――撮影など忙しい日々を過ごされていると思います。そんな中、自分を癒すためのリラックスタイムとはどのような時ですか?
美味しいご飯を作って食べる時間も好きです。自炊をよくするので、自分が食べたいものを作って楽しんでいます。あたたかいお風呂に入って、布団で映画を見ながら寝落ちする時間も癒しのひとときです。
健斗の複雑なキャラクターや、ドラマを通じて描かれる「孤独」というテーマについて語ってくださった伊藤さん。後編ではさらに深く、ドラマに込められたメッセージや、伊藤さんご自身の夢について伺います。