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移動できるサウナで「ととのい」を!「WELLNESS CABIN」

2019年からのサウナブームもあり、日本各地でさまざまな特徴を持つサウナ施設が増えました。ただ、中には「自分の好きな場所やプライベート空間でサウナを楽しみたい」と考える方もいるのではないでしょうか。そこで登場したのが、移動できるサウナ「サウナトレーラーハウス」です。

今回は、「サウナ」「ととのいエリア」「パウダールーム」が一体になったサウナトレーラーハウス「WELLNESS CABIN」について、開発元のファーストウッド株式会社営業課の玉田義剛さんに伺いました。「WELLNESS CABIN」とはどのようなものなのでしょうか。事業の背景とともに見ていきましょう。
―ファーストウッドさんではサウナトレーラーハウスだけでなく、トレーラーハウス全般を幅広く手掛けていらっしゃるそうですね。

当社は、住宅メーカーの「飯田グループホールディングス」という企業の一員で、プレカット材*や集成材といった木材を中心に扱っています。それで、自社の木材を使ってさらに何かできないかということで、販路の拡大を目的にスタートしたのがトレーラーハウス事業です。*住宅に用いる梁や柱の接合部分をあらかじめ一定の形状に加工したもの

トレーラーハウスといえば、一般的には鉄骨製のプレハブや、コンテナをイメージされると思います。海上コンテナをそのまま改造して使うことも多いのですが、どうしても、夏暑く・冬寒いという弱点がありました。そこで、木造建築の技術が活かせないかということになり、車台の部分以外は、住宅と同じように、骨組み、柱、内装まで全て木材を使って作ることで、快適に過ごせるトレーラーハウスを製造しています。

東北地方では、冬場の除雪作業の詰所などでも使っていただいています。底冷えするし、エアコンも十分に効かないといった厳しい寒さの中で、我が社の木造のトレーラーハウスはとにかく暖かいということでご好評をいただいているんです。

トレーラーハウスの中の設計を変えれば、倉庫、ホテルのような宿泊できるタイプ、キッチンやトイレが付いた住居タイプなどどんなものでも作ることができますよ。
-様々な形のトレーラーハウスを手がけていらっしゃるんですね。では、今回のサウナトレーラーハウス「WELLNESS CABIN」にはどのような特徴があるのでしょうか?

当社が提供するサウナトレーラーハウス「WELLNESS CABIN」は、サウナ室、ととのいエリア(水風呂・シャワー)、パウダールーム(脱衣所)が1つのトレーラーハウス内に設置されているというのが大きな特徴です。

従来のトレーラー式サウナの場合、1つのトレーラーでサウナは準備できても、脱衣場やシャワーはどこに準備する?そして水風呂はどこで入ればいいの?という感じでしたので、全てが1つの空間にあるものはなかなかないのではないかと思います。

また、サウナ、水風呂・シャワー、着替え、それぞれでトレーラーを1つずつ使う場合、広いスペースが必要ですが、「WELLNESS CABIN」の場合、それらが1つの空間にまとまっていますので、設置にそれほど広いスペースは必要ないというのもポイントです。
これから既存施設内にサウナを新設するという場合、スペースの確保と建設費用がネックになることが多いんです。「WELLNESS CABIN」では、先述のとおり省スペースなことに加え、サウナ関連設備についてはトレーラーを引っ張ってくるだけで準備できるため、それほどのコストはかかりません。施設内にサウナ施設を作るケースよりも納期も早いですし、初期投資費用を抑えてサウナ事業がスタートできます。
-すべての設備が1つのトレーラーハウスに収まっているのは良いですね。

はい。トレーラーハウス内は完全にプライベートな空間ですし、貸切風呂みたいな感覚で気の合う人たちで使ってもらえたらと思っています。サウナ、水風呂・シャワー、着替えが同じ空間でスムーズに行えますので、利用する方の動線も短くて済みます。

大人4人が入っても余裕があるサウナエリアには、セルフロウリュが可能な電気式ストーブを設置し、ととのいエリアには水風呂・シャワーの他に、リクライニングチェアが置けるほどのスペースを確保しています。さらに、パウダールームはエアコン完備です。サウナを心ゆくまで楽しみたいという方々にもご満足いただけるのではないでしょうか。
-プライベートな空間というのがすごく魅力的ですね。これらはほとんど木材を使って作られているのでしょうか?

全てではないのですが、骨組みから外装、内装に至るまで木材を使って作っており、一部は国産木材も使用しています。サウナ室や、ととのいエリアはひのき羽目板仕上げで温かみを感じさせる作りとなっています。外壁は杉板をすのこ状に貼りつける「ファサードラタン仕上げ」です。樹脂製の外壁とは違い、自然の中にも溶け込むデザインが自慢です。
また、トレーラーハウスは当社で作っていますので、例えばサウナ内にスピーカーを付けるなど、ご要望にお応えしてカスタマイズもできるのも強みです。

そして、細かい話にはなりますが、トレーラーハウスをけん引するシャーシ(車台)は車検を通している車両扱いのものです。トレーラーハウスについては、道路交通法に則る必要があるのですが、当社ではきちんと法律を守ったものを使っています。

けん引免許を持つ人が運転すれば、車両として公道を走れるため、一度場所を決めたら絶対に動けない、ということもありません。今の場所から移動して、別の場所で使うことも可能です。「持続可能性」という観点からも、これからの時代にぴったりではないでしょうか。
-「WELLNESS CABIN」の導入例などありましたら、教えてください。

現在、新潟県のスキー場内の宿泊施設に置いていただいております。今後も宿泊事業者、キャンプ場運営企業、遊休地があるホテル、そして、別荘をお持ちで庭にスペースがある個人の方などにおすすめできればと考えています。

全て自社で受注製造していることもあり、材料調達や納期、そして価格については柔軟に対応できる点も売りですね。