仕事に趣味、恋愛にお金…頑張り続けるかぎり、私たちの悩みは尽きません。でも、モヤモヤしたままじゃウェルビーイングな暮らしは営めない!仲間と良い関係を持つことや悩みを周囲に話すこと、社会とのつながりを持つことが良いことは分かりつつも、うまくやるのは難しい…
そんな悩める皆さんのお悩みを、Xのフォロワー数138万人超え、歌舞伎町イチ癖の強いゲイバー店員カマたくさんが、バッサバッサと斬っていきます。時に優しく、時に厳しいアドバイスでウェルビーイングな暮らしに一歩近づけること間違いなし。毎週更新でお届けします。
本日のお悩み
「現在祖母と母親と3人暮らしです。認知症がひどい祖母なんですが、些細なことで、私自身祖母に対してすごく怒ってしまいます。駄目だとわかってても怒ってしまうんです。その後に、毎回自己嫌悪に陥っています。私はどうしたらいいんでしょうか。」
(20代女性・会社員)
ーーカマたくさんも認知症介護を経験されていますよね。
うん。相談者さんのこれはね、全然普通です。超分かる。普通ですよ。だって同じ質問を1時間に30回ぐらいされたら、頭おかしくなるんで。認知症介護って、それが起こるんですよ。別にそれで自分を責める必要がない。
ーー自己嫌悪に陥る必要がないってことですね。
そうそう。別にもうしょうがないのよ。相手も病気だし。だから、何も悪くない。ただそれでも自分が疲れて、嫌になっちゃうんだったらもうケアマネージャーさんにいろいろぶつけるしかないですね。
この文面からだと、どういうサービスを利用しているのかわかんないけど、まず病院に行って診断書とか書いてもらって、それが認知症の介護レベルいくつなのかっていうのを出してもらうと、サービスを週に何日受けられるかとか、そういうのが決められるんですよ。介護って、1回距離をおくことで、だいぶ気持ちも変わるので、サービスはしっかり利用した方がいいと思うわ。ずっと一緒にいると煮詰まっちゃうから。
ーー自分のためにも、距離を置く時間を作るのは大切なことな気がします。
うん。だいぶ違うんだよね、自分の時間が少しでもあるかどうかっていうのは。そういうふうに自分の時間を作って行かないと、綺麗事だけでは介護は無理なんだよね。私は、認知症になってしまった段階で、自分の知っているおばあちゃんは死んだと思ってるから。
なんかそういうふうに切り離さないと、全部受け止めていたら自分が潰れちゃう。
ーーそうですよね…綺麗事だけでは難しいですよね。
いつでも、自分の人生が一番大事だから。自分の人生を蔑ろにしてまでやらなきゃいけないことなんてないんだよね。在宅介護で、もう10年ぐらい在宅介護してますみたいな人とか、もう神様なのって思っちゃう。そういう人は本当にすごいって思うけど、でも自分は自分だから。自分にはできないな、ってそれだけなのよね。
福祉サービスもそうだけど、結構助けてくれるんですよ。私なんか全然知らなかったから、実際に介護をして、初めてそういうのを聞いて、こんなにいっぱいあるのって思ったもん。でも、自分から聞きに行かないと何も始まらないんで、それはガンガン聞きに行った方がいいですね。頼ったもん勝ちだと思います。
ーー1人で抱え込まず、しっかり周りに助けを求めることが大切ってことですね。
うん、だからもうしつこいぐらい「こういうサービスはあるんですか」みたいなのを聞いた方がいいと思います。助けが来るとちょっと楽になる。そうすると自分の気持ちもまた変わってくると思うし。医療の方にせよ、福祉の方にせよ、そういうプロがいらっしゃるから、利用しない手は全くない。もう超甘えましょう。
ーー超甘える、確かに大事だと思います。”1人で抱え込まず、周りに助けを求める”のは介護に限らず、ウェルビーイングのためには大切なキーワードだと思います。今回もありがとうございました!
カマたく’s アドバイス
相談者さんが怒ってしまったり、自己嫌悪に陥ってしまうのは本当に自然なことよ。こんな風ではダメだと過剰に自分を責めるのはやめてあげて。割り切って、福祉サービスなど周囲に頼れるところはしっかり頼っていったほうがいいわ。距離を置くことで、自分の気持ちも少し楽になるはず。周りと比べたりせず、自分がどうしたら楽になるかで軸で考えていいのよ。一番大切なのはいつも自分の人生だってことを忘れないで。
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カマたく:
1988年12月17日生まれ。福島県出身。ソーシャルメディアインフルエンサー。2017年〜新宿・歌舞伎町のゲイバー「CRAZE」にて店員として従事、歌舞伎町イチ癖の強いゲイバー店員として、本格的にX(旧Twitter)への投稿を開始。SNSでのショート動画や自身のYouTube『3人勘女@カマたく』での歯に衣着せぬ物言いが人気を集めている。2020年に『頑張らなくても意外と死なないからざっくり生きてこ』(KADOKAWA)、2021年に『お前のために生きてないから大丈夫です カマたくの人生ざっくり相談室』(KADOKAWA)を出版。2024年2月17日には、最新の著書『お前は私じゃないし、私はお前じゃない~悩みが0になる人間関係術』(大和書房)を出版している。
取材・執筆/和田愛理