物を投げたり壊したりするのは、シンプルだけどストレス解消法として手っ取り早い。それを“体験”として楽しめる場所があるということで、行ってみることにした。存分に投げて壊して、日頃のモヤモヤを忘れ去りたい。
訪れたのは新宿にある「リーストルーム」。ビルの地下一階にある。
ここは「やってはいけないことができる」がコンセプトのエンターテインメント施設で、物を壊す・オノを投げるの他にも、シーシャやお酒も楽しめる。とはいえ、酔っ払った状態で投げたり壊したりするのは禁止されているので注意。
店に入ると、射的場のようなスペースが広がっていた。物壊しのほうは別室で行い、オノ投げはこの射的っぽいスペースで行うらしい。
ただ単にオノをぶん投げてストレス発散するだけかと思いきや、実はオノ投げは、れっきとしたスポーツであり、大会もあるそうだ。ルールやスコアのつけ方も決まっていて、思っていた以上に体を動かす感覚があった。
もちろん、そういう競技的な要素は抜きで、ただオノをぶんぶんと投げて遊ぶだけでも問題ない。
さっそく軽くレクチャーを受けて、投げてみることにした。凶器を投げるわけなので結構ドキドキするが、特に何か装備することもなく、普段着でそのまま投げていいらしい。こんな「ちょっとそこのコンビニまで行く」ようなテンションでオノを投げていいものやら、少し困惑する。
「ブン!」普段ほとんど運動もしていない非力な私でも意外と投げられた。この手のダーツや射撃のような狙いをつけるものは苦手なので、一度も的に当てられずに終わることを覚悟していたのだが……
「ブン!」投げ始めて2回目くらいであっさりと的に刺さった。そう、こういう感じで、投げるとオノの刃の部分が的にザクッと刺さるのだ。持ち手の部分と刃の部分がくるくる回転しながら的に向かっていくわけなので、的に到着したときの回転の向きが持ち手の部分だった場合は弾き返されてしまう。ただ、どういう風に投げれば、当たる瞬間に刃の部分が的の側にくるのかよくわからないため、「運よくそういう回転になったらラッキー」みたいなテンションで投げる。
実はオノ以外にも投げられるものは色々あり、追加メニューで「手裏剣、ナイフ、トランプ、チャクラム」(600円)、「ククリナイフ、バットマンナイフ、フリスビーナイフ」(600円)、「シャベル、包丁、アイスピック、ハンマー」(600円)とあらゆるものを投げることができる。
せっかくなので、ここに並ぶありったけの凶器を投げ比べてみることにした。
まずはやはり手裏剣からだろう。子どもの頃の憧れの職業ナンバー1(私調べ)は忍者だ。
手裏剣を投げること自体は初めてではなく、忍者体験ができる観光スポットで何度か投げたことがあるのだが、手裏剣を投げるのは思っている以上に難しい。武器として使うなんて考えられないくらい狙いがブレブレになるのだ。
手裏剣投げはオノと比べると全然手ごたえがなかった。軽量のもののほうが、投げるときに腕や手首がズレやすいのか、狙いの正確さが問われるような気がする。
次は包丁。「包丁を投げる」という字面がもうワクワクする。人生で包丁を投げられる機会など本来は一度も訪れないはずなのだ。背徳感がすごい。
包丁も的には当たらず。包丁を的にザクッと刺したかったなぁ。
他にも、トランプを投げて怪盗のような気分を味わおうとしたが、こちらも的に当たる気配なし。ここで投げるトランプは、よくある紙やプラスチックのトランプではなく、金属でできていてフチが少し鋭利なものだ。トランプも手裏剣と同じで、軽くて狙いが安定しない。アニメに登場する怪盗は、普通の紙のトランプを投げて予告状に突き刺しているが、いざ自分でやってみるとあれがいかに難しいことなのかがよくわかる。あんな芸当ができるなら、怪盗なんか辞めて今すぐユーチューバーになったほうが絶対宝石代を稼げると思う。
さて、軽いものは難しいことがわかった。では、重いのはどうだろう。ピッケルを投げてみる。投げ方はピッケルを上に振り上げて投げるので、姿だけを見ると採掘をしようとしているようにしか見えない。
ピッケルもダメだった。重ければいいというわけでもないらしい。
シャベルならどうだろう。
こちらもダメ。シャベルは重さはあるが、フチが鋭利ではないため、力がないと的に刺さる前に落ちてしまうのだろう。
やっぱり私にはオノしかない。初心に立ち返って、オノを投げる。ここからはちゃんとスコアをつけて競技ルールで投げてみることにした。
オノにも実はいくつか種類があり、人によってしっくりくる投げ方が変わるため、相性のいいオノも異なるらしい。何本か投げてみて妙に手になじむオノがあったため、これを使って計10回投げる。
初めてにしてはうまく投げられていたようで、なんと店舗の月間ランキングの一位になってしまった。謎の才能が開花したかもしれない。
vol.2ではいよいよ物壊しをする。壊して壊して壊しまくるぞ。