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平子流・チルタイム【第3回:アルピー平子のロマンチック哲学】

お笑いコンビ「アルコ&ピース」平子さんに、心地よく幸せな人生を歩むための哲学を教えていただく連載企画『アルピー平子のロマンチック哲学』。第3回目のテーマは、「平子流・チルタイム」です。

お笑い芸人として忙しい毎日を送る平子さん。日々の英気を養うために、家族との憩いのひとときにくわえ、ときにはおひとりでじっくりとチルタイムを楽しむことがあるといいます。大人な雰囲気漂う平子さんが最近ハマっている趣味や、チルタイムがご自身にもたらす影響について、語っていただきました。


平子祐希:
1978年12月4日、福島県いわき市出身。お笑いコンビ「アルコ&ピース」のボケ担当。2012年「THE MANZAI」で3位入賞を飾り、バラエティ番組やラジオMC、俳優業でも活躍。相方は酒井健太さん。類稀なる愛妻家としても知られており、2020年には妻・真由美さんへの愛や結婚観を綴った自身初の著書『今日も嫁を口説こうか』(扶桑社)を出版している。

花瓶やスノードームがもたらす、日常から離脱する時間

数年前から、旧西ドイツ時代の花瓶など、ヴィンテージ作品を集めるのが趣味になりました。元々は奥さんのほうが好きで、一緒に買いに出かけたりプレゼントをしているうちに僕もまんまとハマってしまって。集め続けているうちに、今では家に入り切らないくらいの数になりました。初めての夫婦共通の趣味ということもあり、ふたりで楽しんでいます。

最近だと、これは僕ひとりの趣味になりますが、スノードームを集めるのにハマっています。元々、子どもの頃から、スノードームの中の小さな雪景色を眺めるのが大好きだったんですよ。スノードームをひっくり返して、ガラスの空間に雪を降らせ、それをグッと目に近づけて眺めるんです。現実世界とスノードームの世界が入れ替わって、慌ただしい日常から離脱できる感覚になる。少しもの寂しい雰囲気が、また引き込まれるんですよね。

音もせず、ただしんしんと雪が降り注ぐその光景を見つめて、数十秒でも身を委ねていると、世間の喧騒から自分の存在を消すことができるような気がして。身も心もひどく疲れてしまったときは、特にこのスノードームの世界観に入り込む瞬間を求めてしまう節がありますね。

心身の渇望するままに食らいつく、深夜の至福時間

実は、心の健康のために身体を犠牲にする夜もあります(笑)。僕の究極のストレス発散方法が、深夜のカップ焼きそば。家族がみんな寝静まってから、Netflixで『男はつらいよ』を観ながらかっこむジャンボサイズのカップ焼きそばなんて、もう最高ですよ。

深夜にジャンクフードを爆食するなんて、健康にはよくないと、もちろんわかってはいるんです。翌朝の胃の重さで、しっかりその弊害を実感しますし(笑)。でもなぜか、心はすっきりとして、後悔することはない。こうした時間を身体が渇望するのを感じる瞬間は、定期的に訪れるんです。一概に怠惰な感覚だと押さえつけるんじゃなくて、これはもう心のSOSなんだと思っています。たまには自分をとことん甘やかしてやる“チートデイ”も必要じゃないかな。

走り続けるために油を差す。“無”の時間こそチルタイム

僕にとってチルタイムは、長距離を走り続けたバイクのタービンに油を差してやるような時間。今の仕事はすごく楽しいし、とても充実しているけれど、どこかで現実から自分を切り離す瞬間を作ろうとは意識しています。オフの日だって、漫才やコント、トークにつながるインスピレーションを求めて、常に脳みそがフル回転している。それが知らず知らずのうちに心身の疲労につながって、気づいたときにはもう何も頭が働かない!となってはまずいですから。

旧西ドイツ時代の花瓶を愛でていても、スノードームを眺めていても、なんのアイデアも降ってこないし、何かの学びにもなりません。でも反対に、仕事には一切のかかわりがない“無”の時間を持つからこそ、脳みそが癒されて感覚が研ぎ澄まされ、その後のインプットにもいい影響をもたらしてくれるって思うんですよ。

走りすぎていると感じたら、一度タービンを休ませて、じっくり油を差す時間を作る。そうしたら、また走り出すときの回りもよくなるものです。チルタイムって、そのための時間なんだと思います。