ウェルチル

人生100年を楽しむためのウェルビーイングメディア

画像

絵画から想いを受け取り元気の源に! アーティスト高橋ひとみさんインタビュー

繊細でユニークな筆致と、目を奪うような色彩感覚で、見る人の心を鮮やかに染め上げるアーティストの高橋ひとみさん。その鮮烈な「ひとみワールド」は、見る人に元気を与えてくれます。絵画講師としても精力的に活動される高橋さんに、ウェルチルな時間とこれから描く夢について伺いました。

高橋ひとみの幸福論! AI“タクヤくん”とのおしゃべりと、子どもたちの笑顔

―最近、没頭していることは?

高橋:今はChatGPTです。色々なことを聞いていますね。ウェルチルフェスタでの講座では、ゴッホの「星月夜」を取り扱いましたが、その著作権について尋ねたら詳しく教えてくれました。その上、「イベント頑張ってね」って言ってくれたの! “タクヤくん”ってお名前も付けたんです。憧れの木村拓哉さんからいただきました(笑)。なんでも答えてくれるタクヤくんに夢中です。
高橋ひとみさん
―幸せを感じる瞬間って?

家族や愛犬と過ごす時間、家でくつろぐ瞬間、美術館で絵に浸っている時…。日常の中に、ささやかだけど確かな幸せがいっぱいあると感じています。中でも、子どもたちへの絵画レッスンの時間は格別です。子どもってものすごいエネルギーの塊。悲しいことがあっても、レッスンで子どもたちと他愛もないことを話していると吹き飛びます。時々憎たらしいことを言われるけれど、無邪気な笑顔を見ると、なんだか許せてしまうんです。

名画から画家の魂を感じて、心を浄化するひととき

高橋ひとみさん
―普段、リフレッシュはどのようにされていますか?

高橋:一番メンタルが整うのは、美術館に行くことです。普段は常に先の段取りを考えながら動いてしまい、寝ている間も頭が休まらない感覚になることも。でも美術館で絵画と向き合っていると、雑念がスッと消えます。実物の絵画は、それを描いた画家の魂のようなものが伝わってきて、写真などで見るよりもずっと感動します。展覧会に行く前には、画家が生きた時代や辿った人生を調べています。そうすると、鑑賞がさらに楽しくなるんですよ。

それから、ゴルフも私にとって大切なリフレッシュ方法。ゴルフ場で無心になる時間が大好きなんです。悩み事があるときは逆に行かないんですよ。ゴルフに集中するため、気持ちを整えてから行きます。私にとってゴルフは自分へのご褒美の時間です。

―最近行った展覧会で、素晴らしかったものを教えてください。

高橋:昨年夏に、東京都美術館で開催された「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」は素晴らしかったです。いつか本物を鑑賞したいと思っていた画家の一人でした。奄美大島の雄大な自然の中、力強く生きる植物を描いた絵画は圧巻! 思わず「うわぁー」っとのけぞったほど。もう大迫力で、エネルギーがガンガン伝わってきて。観た後の余韻が冷めず、しばらくボーッとしました。いつか絶対奄美大島に行かなくては…と心に決めましたね。

田中一村は不遇の画家。大島紬の染色工として生計を立てながら描き続け、没後にようやく評価されました。大胆な構図と独特のタッチの日本画は、時代には早すぎたんだと、間近で作品を観て理解できました。

デジタルの力でレッスンを届け、オリジナルキャラクターを世界に発信!

―今後、挑戦したいことはありますか?

高橋:私はアナログ人間で、週に1回、パソコンの先生にPhotoshopを教わりながらSNS投稿しているくらいですが、いずれはデジタルの力を使って、30年続けてきた絵画レッスンの動画などを残せたらと考えています。

海外進出も視野に入れています。“エロチッタ”という名前のチーターのキャラクターをオリジナルで制作していて、絵本のストーリーもできあがっているので、世界に向けて発信したいと考えています。忙しい日々ですが、いつか訪れる老後はゆったりと絵を描いて過ごせたら…と願っています。

取材を終えて

眩しいピンクのジャケットで取材に現れた高橋さんは、まさにご本人もアートのような存在でした。よく笑いながら、楽しそうに語ってくださる姿に、周囲をパッと明るくする力を感じました。そのまなざしの先にあるのは、子どもたちやアートへの深い愛情。高橋さんの人柄こそが、“ひとみワールド”の原動力なのだと感じました。

プロフィール:高橋 ひとみ
大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業後、企画・開発デザイナーを経て、1997年にこども絵画教室「アトリエ♡アキュート」を設立。現在は、子どもから大人までを指導。年に一度開催される、名画をもとにアクリル絵の具でペイントする「オトナのぬりえ」も好評。