セルフメイクプロデューサーとしてご活躍なさっているかじえりさん。vol.1では、2026年のメイクトレンドや日常で取り入れたいテクニックについてお話を伺いました。vol.2では、ブランド立ち上げの思いや商品開発のこだわり、日々のライフスタイルや仕事観について伺います。
“実用性”と“ときめき”を両立させたブランド作りの思い
―― ご自身のブランドのコンセプトや、商品開発にはどのような思いを込めていらっしゃいますか?
かじえり:私は、コスメにおいて「かわいい」や「使いやすい」といった要素も大事ですが、それ以上に「実用性」と「ときめき」がとても重要だと考えています。長く愛用される商品は、意外と地味なアイテムが多かったりすると思うんです。初心者から上級者の方まで長く使っていただける実用性を意識しつつ、「かわいい」「欲しい」と思ってもらえるアイテム作りを、価格帯も含めて心がけています。
ブランドとしては「手に届きやすい洗練さ」がある点も注目していただいているポイントだと思います。
商品開発では、自分自身のメイク悩みや「視聴者さんからいただくお悩みを解決したい」という思いが原点になっています。インフルエンサーとしてYouTubeやSNSで発信する中で、直に声を聞けることが商品づくりに反映されていると感じます。
生活も仕事も、自分らしくバランスよく
―― 毎日、お仕事に育児にとてもお忙しいと思います。ライフスタイルの変化に合わせて、ご自身の心境に変化はありましたか?
かじえり:「Enamor(エナモル)」ができるまでは、YouTubeなどの動画制作をすべて一人で行っていました。撮影から編集、アップロードまで自分で行い、視聴者の方から反応をもらう日々でした。経営はまったくの素人で、「Enamor」もスタッフゼロからのスタートでした。今のスタッフはもともと私のSNSの視聴者で、『YouTube見てます』と言ってくれた子たちなんです。
そのメンバーと一緒にブランドを盛り上げていく楽しさと、人を育てる難しさの両方を実感しています。でも、その大変さも含めて面白く、自分自身の成長につながっていると感じられることが喜びになり、今のモチベーションにもつながっています。
また、お客様や視聴者さんが『メイクが楽しくなりました』『人生が変わりました』と言ってくださること、今回のイベントのように自分を高める手段としてメイクを楽しんでいただけることが、本当に大きな励みになっています。私の発信したことやコスメで人生が少しでも豊かになり、気分が上がるのであれば、それが何よりのモチベーションです。
起業を経て見えた、責任と学びの日々
―― 20代・30代が、かじえりさんにとってどのような時期だったのか、そしてこれから40代・50代をどう過ごしたいかというライフプランはありますか?
かじえり:そうですね。まだ具体的に決まっていない部分もありますが、20代は“挑戦の時期”でした。何事も経験だと捉えて、トライアンドエラーを繰り返していました。20代で得た経験や失敗を、30代で実践していくような感覚です。
今は33歳なのですが、これからの30代は“実践の時期”だと思っています。仕事と子育ての両立で大変な部分もありますが、プライベートが充実しているからこそ仕事が楽しく、仕事が楽しいからこそプライベートも充実すると思っているので、どちらも五分五分で満たせるように心がけています。
40代は、できるだけ安定を目指し、落ち着いて仕事に取り組める環境をつくれたら良いなと思っています。
―― 起業されて、価値観などは変わりましたか?
かじえり:すごく変わりましたね。社長としての責任はもちろん、これまで気にしていなかったことにも目を配らなければならないと感じています。マネジメントの大切さや人間関係の難しさなど、30代になって改めて学んでいるところです。
―― これから起業したいと思っている方へのアドバイスとして、起業家に必要なことは何だと思いますか?
かじえり:「相手の立場で考えられる柔軟さ」と「タフさ」だと思います。体力もとても大事で、特に“脳の体力”が重要だと思っています。
女性は挑戦に対して少し慎重になる方も多いのかなと思いますが、失敗を恐れないことが大事です。失敗も成長の一歩だと私は思っているので、恐れずに挑戦できるマインドを持つことが大切だと思いますね。
次号では、メンタルケアやセルフマネジメントの秘訣を伺います。
お楽しみに!