ーー適性ね…向き不向きがあるかってことですよね。確かに難しい。カマたくさんはどう思われますか？あると思います？

えー、ないんじゃないですか。やりたいことが向いてるとも限らなければ、やりたくないことが向いてないとも限らないし。

それこそ、私は別に接客好きじゃないんで（笑）相手にぶっちゃけそんなに興味ないんですよ。お話もするし、考えとかは言いますし、もちろんそこに嘘はないけど、大して心に残らない。でも、これが逆に接客に向いているってことなんですよね。共感能力が高くて、人のお悩みが心に残っちゃう人って実は接客に向いてないんですよ。自分がすごく疲れちゃうから。だから、向き不向きとか考えずに、もっと気楽にやっちゃったらいいんじゃない？って思っちゃいますね。

ーー気楽にですか。

そう。でも、全力でやることは大事だと思います。今は向いてない仕事をしてたとしても、それは絶対に無駄にならないと思うから。全く違う職種に転職しても、何かしらで生きてくるんですよね。人生において、無駄になる時間ってないので、全然気楽にやればいいじゃんって思うんですよ。

ーーなるほど〜。全力でやった先で、それでもダメだってなったらどうしたらいいんでしょう。

そうしたらやめたらいいと思います。でも、その前に、周りの人に「向いてないと思うんですよね〜」って相談してみるのはどうですか？相談してみたら、もしかしたら、先輩も向いてないって思ってるかもしれない。向いてなくても何とかなったよっていうパターンも教えてもらえるかもしれません。

一番ダメなのは、一人で煮詰まっちゃうことですね。煮詰まるくらいだったら、正直に周りの人に言うクセは絶対身につけた方が良いです。一人で悩んでいても何の解決にもならないし、みんな、今日より明日の方が確実に老けちゃうんで。本当人生って思ったより時間ないですよ！（笑）

ーーなるほど。カマたくさんはこれまでにも色々な職種を経験されていますよね。やはりその時の経験は今でも生きていますか。

私は、建築業界で働いていたことがありますね。全然向いてなかったから3年くらいで辞めちゃいましたけど（笑）でも、この経験のおかげで建築業界の方が飲みに来ると、めっちゃ話が弾むんです。「私もちょっとかじった程度なんですけどやってたんですよね〜、現場でこういうことがあるとイラッときません？」みたいな感じで。経験があるからこそ、同じ目線で話すことができる。どこで生きるかは分からないけれど、必ず経験は役に立つと思いますよ。

ーー深いですね。カマたくさんは、今の仕事はどういう基準で選ばれたんですか？

今やっているお仕事は一緒にやっている人で選びました。若い頃は、大手の企業で働いていたこともあるんですけど、別に大手かどうかとかも本当どうでもいいと思っていて。やりたいことがやれなくなっちゃったからやめました。そんなノリでいいと思うんですよね。

私も今は、何の仕事をしてるの？って言われると、一言で答えるのが難しいので、私の仕事は「私」ですって言うことにしてますよ。

ーー私の仕事は「私」！いいですね。なんだか勇気づけられました。ありがとうございます！

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カマたく：
1988年12月17日生まれ。福島県出身。ソーシャルメディアインフルエンサー。2017年〜新宿・歌舞伎町のゲイバー「CRAZE」にて店員として従事、歌舞伎町イチ癖の強いゲイバー店員として、本格的にX（旧Twitter）への投稿を開始。
SNSでのショート動画や自身のYouTube『3人勘女＠カマたく』での歯に衣着せぬ物言いが人気を集めている。
2020年に『頑張らなくても意外と死なないからざっくり生きてこ』（KADOKAWA）、2021年に『お前のために生きてないから大丈夫です　カマたくの人生ざっくり相談室』を出版。
2024年2月17日には、最新の著書『お前は私じゃないし、私はお前じゃない～悩みが0になる人間関係術』（大和書房）を出版している。　

取材・執筆/和田愛理