絵本をひらくと、そこには色や音やにおいまで感じられるような、小さな世界が広がっています。そんな絵本の世界を、実際に体験できる展覧会が、いま全国で人気です。
登場人物になった気分で絵の中に入ったり、お気に入りの一場面を自分なりに描いてみたり。子どもはもちろん、大人もつい夢中になってしまう時間がそこにあります。
11月は、そんな大人も子どもも楽しめる絵本の展覧会をめぐりながら、親子で楽しむウェルビーイングのかたちを紹介します。
第4回目は、世界中で愛されるキャラクター、スヌーピー誕生から75周年の節目となる今年、東京都南町田市の「SNOOPY MUSEUM TOKYO」で開催中の「ピーナッツ」誕生75周年展「ザ・スヌーピー展」世界のともだちになった犬。
スヌーピーを“もっと”感じてもらうための、遊び心あふれる展示が館内のいたるところに散りばめられています。今回は、ウェルチル編集部が実際にミュージアムを訪れ、マネージャーの二本木真実さんに展覧会の楽しみ方などについてお話を伺いました。
スヌーピーミュージアムマネージャー 二本木真実さん
入口からもう“スヌーピーだらけ”!
スヌーピーが大きく口を開けるエントランスを通ると、そこはもうスヌーピー一色の世界。
Ⓒ 2025 Peanuts Worldwide LLC
ミュージアムの入口をくぐると、柔らかな音楽とともに目に飛び込んでくるのは、見渡すかぎりのスヌーピー。「これまでももちろんスヌーピーが主役でしたが、今回は“もっとスヌーピーだらけ に”というテーマにしています」と二本木さん。
展示を通して感じたのは、“スヌーピーを眺める”場所ではなく、“スヌーピーの世界に入り込む”場所に進化しているということ。
ファンでなくても思わず笑顔になる、そんな幸福感に包まれます。
触って、見て、撮って楽しめるスヌーピーの楽園
エレベーターの扉が開いた瞬間、思わず「わあっ」と声が出てしまいました。3Fで降りて、エレベーター目の前に広がるのは、大小さまざまなスヌーピーたちが並ぶスヌーピー・ふかふかレリーフ。さまざまなスヌーピーたちが並ぶ“もこもこゾーン”。
「これまでの展示は基本的に“見る”ものでしたが、今回は“触れて感じる”展示が登場しました」と二本木さん。「ぬいぐるみの感触や温かさを通して、スヌーピーの存在をもっと近くに感じていただけるようにしたんです」と話します。
子どもたちが「ふわふわだね!」と嬉しそうにスヌーピーに頬を寄せ、大人たちがスマートフォンを構えて笑顔で撮影する光景がありありと想像できる展示になっていました。
3Fの中に進むと、現れるのは「スヌーピー・ワンダールーム」。この部屋には古今東西のPEANUTSファンから寄せられたPEANUTSグッズがずらりと並んでいます。昔懐かしのおまけやぬいぐるみから、貴重なヴィンテージグッズまで所狭しと並んでおり、どれほどPEANUTSが愛されて来たのかがよく分かります。
そして2階の「スヌーピー・ルーム」では、さまざまな年代とポーズのスヌーピー像を、これまでにないスケールで見られます。巨大なスヌーピー像の全長約8 mという大きさに思わずテンションが上がってしまいます。どの角度から撮っても写真映えするので、ついつい長居して撮影してしまう方も多いはず。
PEANUTSの原点ー新聞連載時代の貴重な展示
展示室は静かで落ち着いた雰囲気。「ピーナッツ」誕生75周年展「ザ・スヌーピー展」世界のともだちになった犬。の見どころは、PEANUTSの原点をたどる展示。壁には1950年代の新聞紙面が並び、当時のコミックがそのままの形で展示されています(一部複製原画あり)。
「スヌーピーって、アニメやグッズの印象が強いですが、もともとは新聞連載のコミックから始まったんです。そのルーツを知っていただくことで、より深く作品を味わってもらえると思います」と二本木さん。
初期の白黒の線画には、作者チャールズ・M・シュルツの筆致がそのまま残り、時代を超えた温かさが伝わってきます。一コマ一コマを追っていくと、スヌーピーたちの日常の中に、人生のユーモアや哲学が息づいていることに気づきます。
連載当初の四つん這いでちょこまか動く“犬らしい”姿に、「あれ?こんなに犬っぽかったっけ」とちょっとびっくり。進むにつれて、二足歩行し、タイプライターを打ち、テニスをし、昼寝をしすぎて夜は眠れない…そんなイメージ通りのなんだか憎めなくて可愛らしいスヌーピーが登場します。
その変化がもう、まるで人生の縮図。スヌーピーは、もはや犬というより、哲学者みたいなのです。そんな人間顔負けの思慮深さが、長く人々を引きつける魅力の一つなのかもしれません。
後編ではさらなる展示の魅力やグッズ情報を紹介します!
「ピーナッツ」誕生75周年展「ザ・スヌーピー展」世界のともだちになった犬。
SNOOPY MUSEUM TOKYO(スヌーピーミュージアム)
東京都町田市鶴間3-1-4 南町田グランベリーパーク内
開催期間:2025年9月6日(土)〜2026年3月1日(日)
開館時間:平日10:00〜18:00/土日祝10:00〜19:00(入場は各30分前まで)
公式サイト:https://snoopymuseum.tokyo