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安藤美姫さんに学ぶ、強くしなやかなメンタルを保つ方法

フィギュアスケート界で数々の歴史を塗り替えてきた安藤美姫さん。
安藤さんは強くしなやかなメンタルをどのようにして培ったのか?
世界で活躍するトップアスリートとして、そして一人の女性として歩んできた安藤さんのこれまでの軌跡を伺い、日常を輝かせるヒントをたくさんいただきました。
安藤美姫

登壇者プロフィール

安藤美姫
プロフィギュアスケーター。2002年、女子選手史上初の4回転サルコウを成功。2006年トリノ、2010年バンクーバーと二度のオリンピックに出場し、2007年・2011年の世界選手権では優勝を果たす。現在は国内外での指導や社会貢献活動、メディア出演など、スケートの普及と多方面での支援活動に精力的に取り組んでいる。

「ルーティンを持たない」という最強のメンタル。どこでも自分らしくいられる秘訣

『みなさんにお会いできることを楽しみにしていました。ここで同じ時間を過ごせることに感謝し、いい時間にしていきたいです』
ステージは、安藤さんの優しい挨拶から始まりました。

世界の大舞台に立つアスリートには、決まったルーティンがあるもの。そう思いきや、安藤さんの口から飛び出したのは、「ルーティンを持っていない」という意外すぎる告白でした。
「これをしないと落ち着かない」という決め事も一切なし。試合直前にチョコを食べたり、ギリギリまで寝ていて朝食を抜くこともあるなど、驚くほど自然体です。
ですが、その裏側には、「どんな環境でも適応できる」という真の強さを感じました。

体型の維持やメンタルケアには食事内容が大きく影響することが多いのですが、安藤さんは、早くに拠点をアメリカに移し自炊生活をしていたこともあり、日本食が恋しくなることがなかったそうです。
また、ロシア人のルームメイトからボルシチ(ロシア料理)を教わるなど、自炊を楽しんでおられたからこそ、どんな状況でも食事が理由でパフォーマンスを乱されることはなかったといいます。

リンクの上は想像以上に体が冷えるので、温かい野菜スープなどを飲み、常に体を冷やさないように気をつけられていたようです。

「ロボットじゃないから」対話で道を切り拓く勇気

安藤美姫
アメリカでの生活を通じ、安藤さんが最も衝撃を受け、かつ成長の糧としたのが「自分の意見をしっかり伝えること」でした。
コーチから『ここはどうだった?』『あなたはどう思う?』と絶えず質問され、自分の意志を求められる日々。最初は戸惑ったものの、「自分の意見を言うことは、わがままではなく、コンタクトを取るために不可欠なこと」だと気づかれました。
トップアスリートとして世界で戦うための強さとしなやかさは、こういったところで培われてきたようです。

しっかり食べて体づくり、そしてたくさん動くことがポイント

中高生の指導をされていてよく直面するのは「ダイエットと食事制限」。
多感な時期に訪れる「体の変化」との向き合い方について、『大事な体の成長期に過度なダイエットをすることはおすすめしない』と安藤さんは語ります。
『高校生の頃に訪れる体型の変化は女性の働きとして「しょうがないこと」であり、大人の体になるための大切な準備期間。そこを乗り越え、大学生ぐらいなるとバランスが整ってくる』と、焦らず自分を信じる大切さを語られました。

安藤さんが見る、これからのフィギュアスケート界の未来

安藤美姫
昨今の世界情勢により、不参加となっている選手たちがSNSでとても美しい演技を見せていることなどに触れ、『日本は世界に負けず切磋琢磨して勝ってほしい』といいます。
『「りくりゅう」の影響により、ペア競技が注目され、日本でも根強い人気となっているのは嬉しいし、ジュニア世代から4回転を跳ぶ選手たちも増え、日本のフィギュアスケート界の未来は明るい』と話されていました。
難易度の高い技術を評価されるイメージが強いフィギュアスケート界。
『もちろん素晴らしいことですが、美しくしなやかな曲線を氷上に描き、音楽をどう表現するか。それがフィギュアスケートの本来の姿だと思っています。お客様と心を通わせる演技を心がけています』と安藤さんは語ります。
安藤さんの演技を見て感動するのは、こういった意識と想いからだったのです。

そんな安藤さんにも、一度フィギュアスケートから離れた時期がありました。
8歳のころ、お父様を事故で亡くされ、悲しみのあまり練習に行けなくなってしまいました。
しかし、その時に出会ったコーチの笑顔に救われ再びリンクに戻り、フィギュアスケートが好きになっていったそうです。
このときのことがきっかけで、今の安藤さんがあるのです。

バンクーバーオリンピックで演じたクレオパトラの演技はどこに行っても好評をいただくそう。
『自分の名前を覚えてもらうより、演技を覚えてもらえる方が幸せ。記憶に残る演技を届けたい』と語られました。

2026年はトルコでコーチをすることが決定しているそうで、日本を代表するコーチとして世界で活躍する安藤さんの今後の活動に乞うご期待です!
『フィギュアスケートのことを良く知らなくても、衣装が素敵、曲が好き、この選手はルックスがよくていいな・・・そんな思いから興味を持って自由に楽しんでほしいです』といわれていた安藤さん。
日本でも注目されるようになってきたフィギュアスケート界を作っていくのは、みなさんの応援あってこそかもしれませんね。
ぜひ美しい選手たちの演技を楽しんでみてくださいね。