冬になると、冷えがもたらす体調不良に悩まされませんか。
2025年の流行語大賞にノミネートされるほどブームになっている「薬膳」。
薬膳料理のスペシャリストである赤堀真澄さんから、「冷え」に効果的な対処法をお伺いしました。
「あたたかい暮らし」というテーマにぴったりのとっておきレシピもご紹介します。
食の医学「薬膳」を普段の食事に取り入れる
かつては夏でも寒さを感じるほど、ひどい冷え性だったという赤堀さん。25歳で薬膳に出会い、食べ物を変えただけでみるみる体質が改善されたことがきっかけで、薬膳の本場・香港へ渡り薬膳の知識を習得されました。薬膳には「難しい知識を覚えなければならない」「手に入りにくい食材が必要」「手間がかかりそう」といったイメージがありますが、赤堀さんが伝える薬膳は、近くのスーパーマーケットで簡単に手に入る食材を使い、日本の風土に合った日常の食卓に取り入れやすいものです。
基礎代謝を上げ、免疫力をアップする「鶏肉」がおすすめ
冬は冷えから、基礎代謝が下がり風邪や感染症にかかる可能性が高くなります。
今は受験シーズンでもあり、子どもの体調管理には特に気をつけたい時期。
まずは基礎代謝を上げて免疫力を高めることがポイントです。
おすすめの食材は「鶏肉」。体力を一気に上げ、基礎体温を上げる食材です。蒸し鶏や、水炊きにすると子どもも食べやすくおすすめです。揚げ物は胃腸に負担がかかってしまうので、唐揚げは避けて。
冷えに効果的な基本の「薬膳鶏スープ」の作り方
赤堀さんは冷え体質を改善するために、まず「ネギと生姜をたっぷり使った鶏のスープ」を日々の食事に取り入れたそうです。ネギ・生姜・鶏肉は、いずれも体を温め、巡りを良くする「温性(おんせい)」の食材。特に鶏肉は「気」と「血(けつ)」を補い、体を芯から温めてくれます。
特に、胃腸が弱くなりがちな冬にはぴったり。
鶏スープで炊いた「鶏がゆ」は、冷え症が気になる方にもおすすめの一品です。
一口食べると、お腹の奥からじんわりと温まる感覚が実感できます。
「薬膳鶏がゆ」レシピ
まずは基本の薬膳鶏スープを作り、それを様々な料理の「出汁」として活用するイメージです。そのスープを活かした一品として消化に優しい中華風鶏がゆをご紹介します。作り方は簡単なのに、とても本格的な味わいに。鶏スープはたくさん作っておけば冷凍も可能。このスープ、温まるだけじゃなく、お肌も潤い、プルプルの嬉しい変化が感じられるのも魅力です。
【材料】
「薬膳鶏スープ(A)」
・水 1500㏄
・鶏手羽先 6~8本
・生姜スライス 3枚
・長ネギの青い部分 約10センチの長さ1本
・ホタテ貝柱(乾燥) 3個 またはホタテ水煮缶 1缶
・酒 大さじ1
「薬膳鶏鶏がゆ」
・炊いたごはん 茶碗1杯分 (ざるで洗っておく)
・生姜千切り 5g分
・塩 適量
・香菜、ネギ小口切り、クコの実、ザーサイみじん切り(お好みで添える)
【作り方】
「薬膳鶏スープ」
1.大きい鍋に(A)の材料をすべて入れて火にかける。
2.蓋をしてはじめは強火で、沸騰したら弱火にし、蓋を少しずらして1時間煮込む。
これで鶏のスープができます。(冷凍可)
少し冷めたら、具をざるでこし、鶏手羽先をほぐしておきます。
「薬膳鶏がゆ」
1.鍋に(A)のスープを戻し、ほぐした鶏肉の身とホタテ貝柱を入れる。
洗ったごはんを入れて沸いたらあくを取る。鶏の油が浮いてきたら、それも取る。
2.サラッとしたおかゆが好みならさっと火を通す。
柔らかいおかゆが好きなら、弱火で米がつぶれるまで20分ほど煮る。
生姜の千切りを仕上げに散らし、塩で味を調える。
3. お好みで香菜や青ネギや白ネギの小口切り、クコの実、
ザーサイみじん切りなどをトッピングする。
お腹を守り、体全体を温めてくれるレシピです。
薬膳鶏スープをお粥にアレンジしたレシピをご紹介しましたが、麺を入れてアジア風ヌードルにしたりと、消化のよい温かい料理にして食べることで、より体が温まる一品が出来上がります。
鶏肉は部位によって特徴がありますが、普段よく使う鶏むね肉のパサつきが気になる時は、塩麹と甘酒を1:1で漬け込んでおくと、しっとり柔らかくなります。塩麹と甘酒で漬け込むと消化も促進してくれて、気力・体力を補うことができます。『副菜としてもう1品添えるのもいいですよ。』とアドバイスしてくださいました。
鶏肉の他に、「山芋」も、この時期おすすめです。
体の症状に合わせて、摂取すべき食材、そして調理法を即座にお答えくださる様子は、まさに食のお医者さんのようです。日々の食事で不調を整えるための知識を身につけて、献立選びに活かしてみませんか?
Vol.3では、「胃腸が弱い冷え症」の方にぴったりな薬膳料理を紹介します。
お楽しみに!
プロフィール
赤堀 真澄
幼い頃からの不調を薬膳で改善したことで、薬膳を自らの道に選ぶ。香港で学んだ本場の中医学を基に、実践しやすい食のセルフケアで体質改善のサポートを届ける。一般社団法人日本食医食美研究会の代表理事や国際薬膳学院の学院長、和学薬膳®協会の理事長も務め、大学などでも指導。2022年からは梅花女子大学でも教鞭を取り、若い世代に向けた薬膳知識の普及にも尽力する。国際中医師、和学薬膳®博士、唎酒師と、数々の資格も保持
国際薬膳学院の学院長として、たくさんの方に薬膳を指導されている赤堀さん。
現在は、「学院での対面」と「自宅から参加できるオンライン」が選べる、ハイブリッド形式で授業を行っているそうです。「もっと薬膳について学びたい!」という方は、国際薬膳学院のホームページをチェックしてみては?
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