睡眠を解析してくれるホテルがあるということで、一泊してきた。睡眠解析の結果レポートは宿泊後だいたい一週間以内にメールで届く。結果は、予想をはるかに上回り優秀な睡眠を取れているようだった。
睡眠障害を患って早数年。薬なしではまともに寝付けないのにどうして……。気になるのは入眠時間で、このレポートによると「15分で寝付いた」という判定になっているが、そんなわけはない。寝付けなくて我慢できずにスマホを見たときには、寝ようとしてから1時間以上経っていたからだ。おそらく、私が寝付けずに苦しんでいたとき、あまり体を動かさずジッとしていたからなのか、すでに寝付いている判定になってしまっていたのかもしれない。なんとこちら、カプセル内にて動きがない場合かつ、複数の就寝と判断される事象が重ならないと起こりえないとのことで、発生する確率が非常に低いものだったらしい。ジッとして寝付こうと頑張りすぎたせいで、機械を騙しきるという激レア体験をしてしまった。
中途覚醒は15回と多め。これには心当たりがあって、実は周りのカプセルからかなり大きめのいびきが複数聞こえてきて何度か途中で目が覚めたのだ。カプセルホテルとはそういうものだから仕方ない。
寝付きが悪くて寝起きも悪い体質なため、普段なら一度眠りについてしまえば大きな音がしていてもなかなか起きないのだが、カプセルホテルは背中がいつもと違う硬めの質感。私自身がカプセルホテルに慣れていなかったり、どこでも寝られる図太いタイプではなかったりするため、覚醒回数が多かったのかもしれない。
ナインアワーズは睡眠解析目的で泊まるお客さんも多いらしいが、枕を持参する人は少ない。でも、睡眠解析をする上では普段使い慣れている枕とマットレスくらいは持ち込んでもいい気がする。カプセルホテルはそれくらい非日常すぎて、私のような神経質な人間だと普段通りの睡眠にならない可能性がある。
ただ、深い眠りについている時間が314分なのはかなり長め。私はあまり夢を見ないほうで、浅い睡眠よりも深い睡眠が長いのではないかと薄々思っていたから納得の結果だ。
次に寝返り。3回となっているが、そんなに少ないか……? と正直思っている。私はかなり多動なところがあり、布団なんてすぐ蹴っ飛ばして、起きたときには手足は出てるわ、斜めに寝ているわ、寝相がひどいのだ。それがたった3回の寝返りで済んでいるとはとても思えない。なのだけど、確かめようがないので3回ということで納得するしかない。
嬉しいのがいびきの少なさ。少ないというか、ゼロ。まったくいびきをかいていないらしい。
本当か? 本当なのか? 信じるぞ?
いびきがあると、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高く、生活習慣が悪いと無呼吸になりやすいと聞く。普段の生活リズムはめちゃくちゃだし、飲酒の習慣はあるし、栄養も偏っているしで、生活習慣の悪さは折り紙付きの私。軽い睡眠時無呼吸症候群になりかけている、くらいは覚悟していた。どうやらいびきもなければ、10秒以上呼吸が止まったのは1回だけで、今のところ問題がなさそうだ。よかった。
調べたところ、心拍数の67回というのも普通の範疇と言えそうだった。
私は小学生の頃からの筋金入りの寝付きの悪さで、睡眠について人一倍悩まされてきたのだが、睡眠の質そのものは悪くないことがわかった。悪いのは寝付き、この一点のみなのだ。
このせいで小学校、中学校、高校と遅刻で学年トップの座をほしいままにしてきており、毎朝ダッシュしまくっていたのが自然とトレーニングになったのか、運動神経が「悪い」寄りのはずなのに短距離走のリレーの選手を長いことやっていた。筋力系も球技も長距離走もてんでダメなのに、短距離だけ早くなってしまうくらいに朝起きれなかったのである。睡眠改善に関しては巷で言われるあらゆることをしてきた。いいとされるものはだいたい試した。
そんなわけで最後に、私が試してきた睡眠改善法について自分語りさせてほしい。
太陽の光を浴びる 原始的かつ必ず言われる方法。効いた試しがない。 私くらい寝付きが悪いと、ちょっと太陽の光を浴びたところで何も変わらない。
ストレッチ 毎日やることで効果が出るタイプの方法なのだろうけれど、飽き性なので続かなかった。
深呼吸 この程度で寝付けるなら苦労しない。
ホットミルクおいしくて暖かいだけ。寝付けはしない。
オリジナルの枕を作る 枕の中身や高さを自分好みにできるサービス。 何度がやったことがあるが、毎回お店で「これがいい!」と思って枕を作っても、家で使ってみるとなんか違う感じがしてダメだった。また、枕のメンテナンスも面倒なのでズボラな人にはおすすめしない。
よさそうな布団 睡眠に効果があると謳っている布団は何種類も試した。どれも寝付けるわけではない。ただ、手触りは気持ちよく使用感は悪くない。
いいパジャマ モコモコしていたり汗の処理がうまくいくような機能があったりするパジャマ。そもそもが「寝付き」に問題がある体質なので効果はなし。もしこれが寝汗が酷くて途中で目が覚めてしまうタイプならばパジャマで改善する部分は大きそう。それはそれとして、いいパジャマは基本的に肌触りがよくて気持ちいいので使用感は悪くない。
運動 シンプルにして原始的な方法。
体が疲れていても、脳が覚醒していると全く寝付けないことがよくある。
退屈なことを考える ひつじを数える系の、「いつのまにか寝落ちてた」を狙うやつ。脳内の思考が忙しいタイプなので、何をしても思考が広がるばかりで寝付ける気配なし。
睡眠関連のアプリ 入眠時間を管理したり、ヒーリングミュージックを流してくれたりするようなアプリ。 一見すごそうに見えてどのアプリも効いたことはない。
音楽を聴く 曲をしっかり聴いてしまうので全くの逆効果。YouTube動画系も同様。耳に入る情報をしっかり処理しようとしてむしろ頭が覚醒してしまう。
マッサージ系 されている最中はぐっすり眠るけれど、マッサージした日の夜の寝付きがいいかと言われると特に変化はない。ちなみにマッサージ中に一番ぐっすり眠れるのはアーユルヴェーダだった。
漢方薬 効きそうに見えて全く効かない。 朝、昼、晩の食前にきっちり飲まなければならないが、そもそも 1日3食もご飯を食べることがほとんどなく、飲み忘れが頻出するせいかもしれない。
腸活系 腸がよくなると寝付きがよくなる、という噂を聞いたので、腸活サプリを飲んだり、腸に良さそうな飲料を飲んだり、整腸剤を飲んだりしてみたが、睡眠に効果があるとは思えなかった。体にはいいはずなので、今でも習慣として続けてはいる。
飲酒 私は酒を飲んで眠くなるタイプではないので効果なし。
酸素カプセル 寝付きには効果がないが、寝付けずに一睡もできなかった日は、2時間ほど酸素カプセルの中で眠ると、10時間睡眠した日と同じくらいかなりスッキリする気がする。
気がするだけかもしれない。
睡眠系のサプリメント 寝付きには効果がないが、睡眠時間を長く取れない日でも寝起きはかなりよくなる感じがした。もちろんプラシーボ効果の可能性もあるが、藁にも縋りたい。常飲すると効かなくなりそうなのでたまにどうしても早起きしたい日にだけ使っている。
米ぬか酵素風呂 米ぬかで全身を覆うタイプの温浴。同じ温浴でもサウナは寝付きに効果がなかったが、これはかなりよかった。米ぬか酵素風呂に入った日は体がポカポカしてスッと眠ってしまっていた。米ぬかがいいというよりも、単純に体が冷えていたのが温まったからなのかもしれない。サウナだとすぐに飽きて出てしまうせいで温まらないのだが、これは物理的に全身を覆うせいで20分くらい動けないので、否が応でも温まる。ただ、入りまくるようになると体が慣れてしまうのか、通い始めて一年くらいたった頃には効かなくなった。
以上となります。
皆様におかれましても、よい睡眠ライフを送れますよう。
(取材・文/朝井麻由美)
まとめ
・睡眠を解析してくれるホテルで、自身の睡眠状態をチェック。解析レポートの結果は予想以上に優秀
・睡眠の質自体は悪くなく、問題は「寝つき」のみだと判明
・これまで試してきた睡眠改善法と、その結果を振り返る