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家族みんなで取り組む仕組みづくりを!「片付けパパ」が教えるウェルビーイング整理術Vol.3「30~40代子育て&ファミリー編」

30〜40代は、まさに人生の繁忙期を生きている世代。子どもがいると、何度片付けても数分後には元通りでガックリしてしまう夜もありますよね。Vol.3では「片付けパパ」として活動する大村信夫さんに、ママやパパが一人で頑張るのではなく「家族を一つのチームとして捉え、仕組みで解決する」片付けパパ流の極意について伺います。

「情報の多様化」と「責任の個人化」が課題

―― 子どもがいる「家族の片付けの課題」はどこにあるのでしょう。
大村:
この世代の課題は、「情報の多様化」と「責任の個人化」にあるといえます。1つ目の課題が「モノと情報」の爆発的な増加です。自分のモノだけでなく、子どものおもちゃ、保育園や学校のプリント類、習い事の道具……。年齢とともに増え続けるモノと、締め切りのある流動的な情報が混在し、脳のキャパシティを常に超えてしまいます。

次の課題が「名もなき片付け」が特定の人に集中すること。たとえば脱ぎっぱなしの靴下を拾う、出しっぱなしのハサミを戻す、ゴミをまとめるといった「名もなき片付け」が、特定の誰か、多くの場合がママに偏りがちです。これは組織でいえば、一部の人に業務が集中し、チームとして機能不全を起こしている状態と同じです。

また「子どもの成長」に収納が追いつかないことも課題。子どもが遊ばなくなったおもちゃでも「また使うかも」「思い出だから」と考えて捨てるに捨てられず、過去の遺物がリビングの一等地に居座り続けているケースもあります。

家族みんなで取り組むことが大事

―― 子どものいる家庭で片付けるコツを教えてください 。
大村:
解決の鍵は、個人の能力ではなく仕組み(システム)に頼ることです。まずは共有の地図を作ってみてはいかがでしょうか。家族の誰もが「どこに何を戻すべきか」をすぐに判断できるよう、収納ボックスに写真やイラスト入りのラベルを貼るのです。これにより字が読めない小さなお子さんでもミニカーの絵があればそこに戻せますし、パパも「爪切りどこ?」といちいち聞かなくて済むようになります。

また、片付けをイベントに変えるのもおすすめです。 片付けを義務にすると子どもは嫌がります。ですから、たとえば好きな音楽を1曲かけて「この曲が終わるまでに、床にあるモノを全部ボックスに入れよう!」とゲーム化を提案してみましょう。家族全員で一斉に取り組むことで、一体感が生まれます。

捨てるのが苦痛なら、メルカリや寄付、お下がりなど複数の出口を用意するのも手です。子どもと一緒に「これは次の小さなお友達に譲ろうか」と相談し、リユースに回します。自分のモノが誰かを笑顔にする経験は、子どもにとって肯定感や他人への思いやりにも繋がります。
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―― この時、注意することがあれば教えてください。
大村:
ぜひ家族みんなで取り組むようにしてください。子どもは指示をすると嫌がる傾向にあるので、ラベルを貼る時には「これをしまう場所はどのマークにする?」と子どもに確認しながら進めることをおすすめします。これは大人でも同じ。自分で決めたことを守ろうとする一貫性の原理をうまく活用すれば、その後の片付けもスムーズです。

また子どもの判断に親が横槍を入れるのは避けたほうがいいでしょう。子どもは「これは大切にしたい」「これはもう使わないからいらない」と純粋に判断するのに、親が「これは○○の時に買ってもらったものだから取っておきなさい」と口を挟むと、その時点で子どもは自分の判断軸がわからなくなってしまいます。それを機に片付けが苦手になる可能性があるので、大切だと思うものは親の収納スペースで保管するようにしてみてください。

リビングは「ゾーニング」と「緊急避難場所」の設定を

―― 子どものおもちゃや学用品で侵食されがちなリビングの救済方法はありますか?
大村:
リビングは家族の共有スペースであり、パパやママのくつろぎの場でもあります。ここを救済するには「ゾーニング(境界線)」と「緊急避難場所」の設定が有効です。

リビングの中に「ここからは入るべからず」の境界線を引き、大人の聖域を作ります。たとえば「ソファの上と、テレビボードの天板だけはモノを置かない」と家族で決めておくのです。床におもちゃが散らばっていても、自分が座る場所さえ整っていれば心理的なダメージは大幅に軽減されます。

また「放り込み式・一時避難ボックス」を導入するのもおすすめ。これは子どもが寝たあとにパパとママがリラックスするための強制リセット術です。リビングの隅に大きめのおしゃれなバスケットや蓋付きボックスを用意し、寝る前に床に散らばったおもちゃをとりあえず全部その中に放り込みましょう。分類をする必要はありません。5分で床が更地になれば、そこから大人の自由時間が始まります。分類は週末にまとめてやればOKです。

さらに「パーソナル・ロッカー」を設置すると、学用品やランドセルがダイニングテーブルを占拠するのを防げます。リビングの一角に、家族一人ひとりの専用ボックス(ロッカー)を作りましょう。学校のプリントも、やりかけの宿題も、その中に入っていればOK。テーブルの上という共有財産を個人のモノで侵食させないためのデスク管理術です。

「自分だけの部屋」ができると自発的に片付け始める

―― 子どもが成長したら片付けのルールを変える必要はありますか?
大村:
子どもが年頃になると、個室を与える家庭が多いのではないでしょうか。その場合は、今までリビングの収納スペースに片付けていたモノを、自分の部屋にしまうようルールを変える形になると思います。

我が家では以前、7畳の子ども部屋を娘2人で共有していたんです。自分だけの空間ではないので、部屋が散らかっても責任をなすりつけ合っていました。なかなか片付けもできない状況だったので、部屋を半分に区切るリフォームをしたんです。自分の城を持ったことで、2人とも部屋を丁寧に扱うようになりました。小さな子どもでも、自分のテリトリーができると自発的に片付けができるようになるのだと実感した出来事でした。
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プロフィール

大村 信夫
1974年生まれ、共働きで3児(大・高・中)の子育てパパ

大手電機メーカーに勤務しながら 「片付けパパ」として活動 。モノを整理することで「心」や「思考」も整理され、プライベートや仕事の進め方、人間関係など 人生全体に好循環が生まれるオリジナルメソッドを提唱

会社から兼業を認められ「片付け」「5S」だけでなく「情報の整理術」「仕事や家事の生産性向上」「タイムマネジメント」「パラレルキャリア(副業/複業)」「価値観探究」「男女共同参画」などの多岐にわたるテーマで日本全国を東奔西走。 講演・セミナー受講者は30,000人を超え、満足度(5段階評価4以上)は96%を超える
国家資格キャリアコンサルタント資格も保有し、「パラレルキャリア研究家」としても活動。 モノから人間関係、キャリア(人生)まで整えることをコンセプトに活動中

商業出版は4冊 。『片付けパパの最強メソッド ドラッカーから読み解く片付けの本質(インプレス)』『仕事の「整理ができる人」と「できない人」の習慣(明日香出版)』他、監修『副業の超基本(朝日新聞出版)』『家事ずかん750(朝日新聞出版)』、メディア取材なども多数

静岡県立掛川西高等学校/国立大学法人東京農工大学工学部卒業

大村信夫さん公式HP
次号では40~50代の管理職・ビジネスパーソン向けに
「デジタル&オフィスデトックス」について伺います。
お楽しみに!