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【藤本美貴のウェルネス子育てライフ】第12回:キャリアと家庭の両立

タレントとして活躍しながら3人のお子さんを育てる藤本美貴さんに、心身ともにヘルシーで幸せな子育てについて伺う「藤本美貴のウェルネス子育てライフ」。第12回のテーマは、『キャリアと家庭の両立』についてです。

2006年に第6期メンバーとしてモーニング娘。に加入した藤本さん。しかし直後に夫の庄司智春さんとの熱愛が報じられ、グループ脱退。その後庄司さんとご結婚され、家事育児と両立させながら新しいキャリアを切り拓いてこられました。

女性のキャリア進出が当たり前になった昨今でも、未だキャリアと家庭の両立は多くの女性の悩みとして話題に上がります。人生には正解がないからこそ、いざ決断を下そうとすると迷いが生じてしまうもの。アイドル卒業の選択をした藤本さんは、当時どのような思いだったのでしょうか?キャリアと家庭の両立のヒントについて、藤本さんの経験からお聞きしました。


藤本美貴:
1985年2月26日生まれ。ソロアイドルとしてデビュー。2009年にお笑いコンビ品川庄司の庄司智春さんと結婚。3児の母として子育てをしながら、バラエティ番組への多数出演や自身のYouTube『ハロー!ミキティ / 藤本美貴』での自然体な姿が人気を集めている。2024年9月3日に『ミキティ語録 前しか見ない』(CCCメディアハウス)が発売。

予想もしていなかった熱愛報道。自分のための人生に最適な道を考え決断

突然の熱愛報道には、私自身も衝撃を受けました。でも当時のファンの皆様や関係者の方々にもご迷惑をお掛けして申し訳ないですが、一生モーニング娘。として活動を続けていられるわけではないし、何よりも私は私自身のために生きているのだから、報道が出た以上は自分にとって最適な道に進もうと考えてはいたかな。

当時の選択肢としては、彼と別れるのか、このまま一緒にいるのか。自分の気持ちに向き合ったときに、別れた後の未来はまったく想像できませんでした。別れないならば、このままアイドルは続けられないな、と自然と気持ちの整理はつきましたね。

アイドルとして活動していた当時も、いつかは結婚して自分の子どもを見てみたいという未来をぼんやりと思い描いていました。その未来が、スクープが出たことによって想定外に前倒しされただけ。だから、あまり迷うことはなかったんです。今自分が一番大切にしたいものが何か明確であれば、決断はしやすいんじゃないかと思います。

誰かのために生きる前に、自分の理想のためにベストを尽くす

もう少し踏み込んで言えば、将来自分がどんなおじいちゃん・おばあちゃんになっていたいかを想像してみるんです。極端な話、自分の子どもや孫に看取られたいと思うのであれば、子どもを授かっていないとその未来は訪れないわけだし。子どもはいつでも授かれるわけではないから、出産・妊娠から結婚のタイミングを考えて……。女性にとって、子どもが欲しいか、結婚を望むのかは、やはり人生を考えるうえで重要なポイントだと思います。

ファンの気持ちはどうなるの?という意見もありそうですが、アイドル時代のファン全員が、年齢を重ねてもずっと追いかけてくれるわけではないとどこか悟っていたので(笑)。もちろんずっと応援してくださる方もいますし、ファンの方には感謝もしているけれど、多くの方は若いアイドルがデビューしたらどんどんそっちに夢中になっていく。少し切ない話ですが、頭のどこかでそんなふうに俯瞰して見ている自分もいたんです。

誰かのために生きる前に、自分の人生の理想を求めていく中でベストを尽くして生きていく……そんなシンプルな考え方が、私には合っていたのかなと思います。

自由度が高い今だからこそ理想を明確に。キャリアも家庭も自分次第で両立できる

女性の場合、結婚や妊娠・出産によって一時的にキャリアから距離を置く期間が生じるのは避けられない事実だと思います。産後は体調も不安定だし、慣れない子育てと仕事を両立するのは本当に難しい。子どもを産むことができるのは女性だけだから、仕方のないことではありますよね。

でも個人的に、キャリアと私生活のどちらかしか選び取れないと考える必要はないと思うんです。昔と比べたら、今はかなりキャリアの自由度が高くなっていますよね。同じ職場に長く勤めるのが当たり前だった時代から、職種や職場を変える選択肢も取りやすくなってきている。働き方だってさまざまだし、自分の状況に合わせてキャリアを見直していくのが大切なんじゃないかな。
保育園も早ければ生後2ヶ月くらいから入園できますし、他にもさまざまな子育て支援があります。幼い子どもとなるべく長く一緒に過ごしたいなら、しばらくキャリアから離れるのももちろんいいと思う。

さまざまな事情で働かざるを得ない、あるいは家庭に入らざるを得ない状況の方もいるでしょうから、悩めるのはむしろありがたいことなのかも。いずれにしても、最終的には自分がどうしたいか。キャリアの自由度が高いからこそ、なぜその仕事・職場で働きたいのかや、そもそもなぜ働きたいのか、自分の理想の人生と照らし合わせて明確にしておいたほうが、迷いは少なくなりそうです。
藤本美貴さん 新刊のご案内
タイトル:「ミキティ語録 前しか見ない」
CCCメディアハウス刊
定価:1500円+税 仕様:四六判・並製 
頁数:232頁 ISBN:978-4-484-22116-8
2024年9月3日から好評発売中!
ヘア&メイク/太田年哉(maroonbrand) スタイリスト/JURIKA.A 取材・執筆/神田佳恵